オレルタが以前レビューしたKOMORUやThink Lab HOMEと違うのは、天板の上部分が天井のように板で覆われていることだ。これゆえ、上下/左右からの光をうまい具合に遮断してくれるので“おこもり感”が増す。
これは良いのだが、逆に困ったのがノートPCからの排熱だ。熱風が上昇して天井を回り、結局座っている自分に向かってくる。この熱気がブース内にこもってしまうのだ。エアコンをつけていても風が内部に回らないとダメなので、今回は背中から扇風機で当ててしのいだ。ファンレスのPCや発熱が少ないPCはまだしも、バリバリのゲーミングPCでゲームを満喫する際は対策を考えたい。
もう1つは、収納時の課題だ。オレルタは扉を閉めてコンパクトにできるのが魅力ではあるが、閉める際は天板をたたむ必要があり、天板の上に置いて使っていた物を片付ける必要がある。
筆者はオレルタの天井部分にノートPCやマウスを置いたのだが、高いところに重量があるものを置くのは地震の際などにいかがなものかと、家族から指摘された。
また、PCなどを片付けるのにしても、天板の配線穴を通したノートPCやマウスのケーブルを処理しなければならず、いちいち配線穴から抜いたり入れたりするのは面倒だ。そうなると横着な筆者の場合、取りあえずケーブルなどは本体から外し、PCを片付けたら天板を上げてコードを挟む形で固定するということになる。
この辺りは創意工夫の見せどころで、やはり仕事が終わったら扉を閉めるという形が、精神的にもすっきりするように思える。あるいは割り切って、普段は扉を開いて使い、何かのときにはたためる、程度に考えておいた方がストレスは少なくなるかもしれない。
これまで見てきたように、オレルタは作りもしっかりとしており、おこもり感も出るお一人様ブースとして良くできている製品だ。3万2789円という価格も納得感があり、それほど無理をせず、家庭に必要以上の波風を立てないで手に入る価格帯なのがうれしい。原稿執筆時は、個人会員限定で10%オフのクーポンが配布されていた(9月30日まで)ので、ぜひ活用したいところだ。
多少の不満点はあるものの、これまで筆者が試した中では一番欲しいと思える現実的なお一人様ブースだった。設置スペースを確保できるならば、オレルタを導入して仕事や趣味に没頭可能な“マイスペース”を作ってみてほしい。きっと高い満足感を得られるはずだ。
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