新型コロナウイルスの影響が続いている。テレワークの推進が叫ばれる中で、そう言われても出社が必要な人もいるだろうし、特に在宅ワークを続けているけどもう限界とため息を漏らしている人も多いだろう。
在宅ワークの問題点としてよく言われるのが“家に仕事するスペースがない”というものだ。確かに自宅に帰ったってリビングやダイニング、子供部屋と夫婦の寝室といった具合に、家族みんなで使うスペースでいっぱいであり、仕事をするのにしても食卓テーブルの上にノートPCを置いて使うくらいが精いっぱいというのが実情だろう。都会の一人暮らしであれば、そもそも物理的に仕事スペースを作るのが難しく、個人の書斎なんてどこのお金持ちが持っているんだ、という話になりがちだ。
こういった状況を打破するためにというわけでもないだろうが、少しでも家の中で仕事ができるスペースを作れるよう、さまざまな会社が個人用ブースを販売している。PC USERではパナソニック 建築システムビジネスユニットの「KOMORU」や、Think Labの「Think Lab HOME」といった製品を取り上げた。
ただし正直言って、この2製品はあまりにも極端すぎる。KOMORUは頑丈な作りで高い安心感があるものの、当初は約10万円(税込み、以下同様)近い価格だった(現在は7万円前後で手に入る)。
もう1つのThink Lab HOMEは税込み1万6500円と低価格ではあるが、段ボール製という部分に引っかかる人も多いと思う。KOMORUと違って軽量で移動も手軽にでき、省スペース性も上回るが、やはり長期間使うのであればもう少し頑丈なもの、できればKOMORUが……と思うのも人情だ。でもその価格をひねくり出すための家庭内稟議って通るのか?(いや通らない……)。
そう考えていた筆者の目にとまったのが、今回紹介するカウネットの「オレルタ」だ、価格は3万2780円と手が届きやすい上に、木製で作りもしっかりとしているようだ。これは、いけるのではないか? ということで早速試す機会を得た。
オレルタを販売しているカウネットは、2000年に設立されたコクヨの連結子会社だ。コクヨ製品などのネット通販を手がけており、なじみがある人がいるかもしれない。ちなみにオレルタという名称は、コンパクトにできるように天板が折れる「オレル」と、扉がたためる「タタメル」から「オレルタ」と命名したとのことだ。
製品は、まるでモナカのように本体の両脇を段ボールが挟む形で届けられた。これまでレビューしたブースデスクは全て自分で組み立てる必要があったのだが、オレルタは段ボールから出してすぐに使える構造となっている。重量は約25.5kgだが、サイズは扉を閉じた状態で約80(幅)×32(奥行き)×135(高さ)cmと大柄なため、移動するのは大人2人がかりで取り組んだ方がベターだ。
実際にオレルタを設置するには、最低でも扉を開けた状態で約80(幅)×69.6(奥行き)×135(高さ)cmのスペースが必要になる。利用する椅子のサイズにもよるが、市販の一人用デスクとそれほど変わらないサイズ感に収まっている。
扉が観音開きで開くようになっており、利用時はその中に折りたたまれた天板を手前に倒して使う形態だ。天板のサイズは約73(幅)×40(奥行き)cmで、床までは約72cmの距離がある。身長168cmの筆者がいつも使っているデスクを使うときは、椅子の座面が床から40cm、そこから机まで28cm程度の長さなので、オレルタのこのサイズは普通に腰掛けて作業するのにちょうど良い高さだった。本体下には高さ調整用のアジャスターがあるので、扉を開いて全体が水平になるよう調節できる。
観音開きになる扉はジョイントでしっかりとつながっており、90度以上は開かない。天板を降ろすと本体左右に設けられているガイドで保持されるが、耐荷重は約30kgなので、ノートPCとか液晶ディスプレイとかを置くには十分すぎるほどだ。
天板の手触りはよく、いい感じに滑るため、手持ちの光学式マウスをマウスパッドなしで使ってみても問題なかった。先ほど本体は木製と書いたが、正確には芯材としてパイン・ランバーコアを使い、表面に特殊強化シート化粧板を貼り付けて構成されている。
では、実際に仕事道具のPCを置いて利用してみよう。
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