今回、iPad miniと同じくらいドラマチックに変わったのが、今秋中にリリース予定のApple Watch Series 7だ。ケースのサイズは従来とほぼ変わらないにもかかわらず、画面領域が大型化している。
写真で見た側面図では、画面の縁が周囲の光を反射して、まるで表面張力でわずかに膨らんだ水のようだ。縁取り幅は1.7mmと狭くなり、従来のApple Watchと比べて40%も縁取りを削減したという。この画面に合わせて作られた「輪郭」という文字が輪郭のカーブに沿って溶けているように見える文字盤も追加される。
画面が大きくなったことで、画面上の文字が大きく見やすくなっただけでなく、欧文のキーボードも画面上に表示し文字入力できるようになっている(スペル補正機能と組み合わせて文字入力をする。現時点で日本語入力の可否は不明だ)。
画面の進化は見て分かる部分だけではない。IP6X等級の防じん性能、WR50の耐水性能に加え、Apple Watch史上、最も強い前面クリスタルの採用で耐亀裂性能も向上している。画面を覆うクリスタルも、底面をフラットにして形状的に亀裂に強くしてあるのに加え、前面クリスタルを50%厚くしたことで前モデルの2倍以上も強度と耐久性が増しているとのことだ。
もちろん、頑丈だからと言って画面の見やすさを犠牲にしていることはない。実際、画面は従来よりも明るさがアップしている。節電のために画面が少し暗くなる手首を下げている状態で、従来より70%明るい表示になったという。
画面を大型化したり明るくしたりすれば、その分、バッテリーの消耗が激しくなるがバッテリー動作時間は18時間を維持する。
一方で、新たに強調されたのが充電時間の速さだ。新たにUSB Type-C端子から急速充電できることが明らかにされている。前モデルと比べて33%高速で、寝る前に8分間充電するだけで8時間の睡眠を計測できるという。さらに45分で0%から80%まで一気に充電可能になった。
Appleとしては、常に身につけている想定のApple Watchでは、あまり満充電にこだわらずに、空き時間を見つけては、ちょっとずつ充電するスタイルを広めたいのかもしれない。
自転車での移動を自動的に検知して、アウトドアサイクリングワークアウトの計測を始めたり、自転車での転倒を検知したりする機能も加えられている。
アルミケースの製品はミッドナイト、スターライト(シルバー)、グリーン、ブルーおよび(PRODUCT)REDの5色、ステンレスケースがシルバー、グラファイト、ゴールドの3色、そしてチタンケースが2色という展開になる。
従来通り、Nikeとエルメスとのコラボモデルもある。Nikeは3つの秋色のNikeスポーツループに、それに合わせてDigital Crownのスクロール、手首の動きでダイナミックにアニメーションを表示するNikeバウンス文字盤を用意した。
エルメスは、優れた発色性が魅力の素材ヴォー・スウィフトにプリントされたシグネチャアンカーチェーンの大胆なグラフィック表現をベースに、サーキットHレザーバンドとそれに合わせた文字盤サーキットHを発表した。
加えて、しなやかで革本来の風合いが楽しめるヴォー・バレニアレザーリングが流れるように編み込まれた、グルメット・ドゥブルトゥールという新作バンドも加わった。1930年代のエルメスの首輪へのオマージュとなる造形だという。
Apple Watchの腕時計であるが故の画面の小さを、技術革新とデザインの力で少しでも大型化し、大きくしたからにはそこに最大の価値を盛り込もうと奮闘する。Apple Watch Series 7も実物を見るのが楽しみな新製品の1つだ。
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