K2の良い所は、やはりキーの数が多いことである。矢印キーやファンクションキーに加えて、DeleteキーやBackSpaceキーが独立して存在するので、Fnキーを使う必要がない。
筆者は日本語入力で「ATOK」を使っている。文字変換の時にF6〜F9キーを多用するため、独立したファンクションキーのおかげで入力が非常に楽である。日本語キーボードで問題になりがちなスペースキーも大きめだ。恐らく、日本語入力の快適さを考慮に入れて配列を調整したのだと思う。
また、K2は有線モードなら「Nキーロールオーバー」に対応する。複数のキーを同時に押しても入力に支障は出ない。Bluetooth接続時はNキーロールオーバーに対応しないが、試しにFPSゲームの「Valorant」をプレイした限り、WASDキーでの操作は問題なく行えた。
遅延が気になるプロゲーマーであれば別だろうが、普通にプレイするのであればBluetooth接続でも問題なくゲームを楽しめそうだ。
K2にもデメリットはある。例えば、一部の機能キーの横に機能キーがあるので「誤爆」しやすい。例えば、BackSpaceキーの右にはPage Upキーが、Enterキーの右にはPage DownキーとHomeキーが並んでいる。BackSpaceキーやEnterキーを押したつもりが、さらに右側のキーを誤って押してしまう。一番右側の列にあるキーは、いっそのこと省略しても良かったと思うのだがどうだろうか?
また、先に少し触れたが↑キーがEndキーとのコンビネーションになっているのも弱点といえる。他の方向キーは単独で操作できるのに対して、↑キーはFnキーを押しながらEndキーを押さないといけない。なぜ↑キーだけコンビネーション操作になってしまうのか不思議である。
あと、若干細かい所だが、ゲーミングキーボードの多くが備える「Windowsキーロック(Windowsキーの無効化)」も備えていない。そのため、設定をカスタマイズしないとWindowsキーの「誤爆」も発生する可能性がある。
ただし、このようなキー配列にまつわる不満はキーアサインを変更するユーティリティーソフトウェアを使えばある程度解消できる。現時点では純正ソフトウェアは用意されておらず、Windowsであれば「SharpKeys」、Mac(macOS)であれば「Karabiner」の利用が推奨されている。
仕事柄、筆者はPrintScreenキーをよく使う。そこで↑キーは右Shiftキーに、PrintScreenキーはEndキーに割り当て直した。K2の右Shiftキーは↓キーと←キーの上にあるので、かなり快適に操作できるようになった。しかしSharpKeysではキーの機能を“削除”(無効化)するカスタマイズはできないので、Page Upキーの誤爆はいまだに続いている。
なお、キーマップのカスタマイズ機能については、独自アプリを用意中とのことである。
現時点において不便な点はいくつかあるものの、K2はコンパクトなサイズに必要十分なキーが用意されており、小型ながらも使いやすいキーボードを求めている人にはピッタリな製品だといえる。60%キーボードでは避けられない「修行」はほぼ必要なく、特に悩むことなく使えるのが何よりも強みである。物理的な難点として、右端に縦に並んだキー群があるものの、ここは「慣れ」でどうにかできるレベルだろう。
こうしたネガティブな要素を加味したとしても、これまで触ってきたコンパクトキーボードの中においてK2は打ちやすく、とても気に入った製品の1つである。省スペースで快適に使えるキーボードを探しているのなら、K2を選択肢の1つに入れてほしいと思う。
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