リモートワークで仕事をするスペースに困っている人も多いと思う。筆者もそれは同様で、リビングで仕事をすると結構ストレスがたまってしまう。そんな思いもあったので、「KOMORU」「Think Lab HOME」といった“お一人様用ブース”を試したりもしたが、常に利用できるデスクスペースに限りがあるあることが課題であった。
狭いデスクスペースに悩んでいる所で出会ったのが、いわゆる「60%キーボード」だ。テンキーだけでなく、一部の機能キーも省略することでコンパクト化を図っていることが特徴で、最近はさまざまなメーカーから発売されるようになった。
複数の60%キーボードを試してきたが、いずれも一長一短があり、特に“一短”の方が気になって常用する気にならなかった。結局、ある意味で60%キーボードの礎ともいえるPFUの「Happy Hacking Keyboard Professional HYBRID」(HHKB)にたどり着いた。
HHKBはキーの打ち心地はいいし、音も軽やか。日本語配列モデルには独立した矢印キーもあるので非常に使いやすい。そこそこ値は張るが、人気が出るだけのことはある。しかし、不満点がないわけではない。何かといえば光らないことである。
最初は光るキーボードを「なんだこのキワモノは」と思っていたのだが、使ってみるとこれが意外といい。美しいし、キーが光ると打ちやすいのだ。
少し前置きが長くなった。そんなことを考えていた筆者の目に止まったのが、今回レビューする「Keychron K2 ワイヤレス・メカニカルキーボード」である。メーカーのKeychron(キークロン)は2017年に設立された新進気鋭のメーカーで、フランスと香港に拠点を持つ。キーボードの愛好家が集まって結成されただけあって、キーボードにこだわる人にとって魅力的な製品を取りそろえている。
このK2は、設置面積的には「75%キーボード」で、日本ではコペックジャパンを通して販売されている。この記事では、K2の魅力をお伝えしていく。
日本で発売されているK2には白色LEDバックライトの「White LEDプラスチックフレーム」とカラーLEDでキーが表示される「RGBアルミニウムフレーム」の2種類が用意されており、それぞれ日本語配列と米国英語(US)配列を選択できる。税込みの直販価格は、White LEDプラスチックフレームモデルが1万1990円、RGBアルミニウムフレームが1万5400円となる。
今回選んだのは、RGBアルミニウムフレームモデルの日本語配列である。筆者はEnterキーが小さい英語キーボードがどうしても苦手で、かつ“いっぱい光る”方がいいじゃんという単純な理由からだ。
まずは外観から見ていこう。まず寸法と重量は以下の通りとなる。
RGBアルミニウムフレームモデルは重量がやや重めで、キータイプをしても動かずにしっかりと打てる。やや重いとはいえ、1kgは切っているので、持ち運びに苦労することはない。
K2はキーボードの上部にEscキーやファンクションキーが並び、右端にPage Up/Page DownキーやHomeキーが配置されている。故に、Keychronいわく「75%キーボード」ということになる。なお、「↑(上)」キーはEndキーとのコンビネーションとなっている。
実測でのキーピッチは約18mm、キーストロークは約4mmとなっている。
本体の左脇には、PCと接続するためのUSB Type-C端子と、キーアサイン切り替えスイッチ(Windows/AndroidとMac/iOS)、接続モードの切り替えスイッチ(電源スイッチ兼用)が用意されている。K2は「マルチOS対応」が特徴の1つで、キーアサイン切り替えスイッチを操作することでOSごとに使いやすいキーアサインに変更できる。Windowsに最適化されたキーキャップも付属しているので、好みで付け替えてもよい。
Bluetooth接続時は、最大で3台とのマルチペアリングに対応している。スマートフォンやタブレットなど複数台のデバイスとキーボードを共有したい時にも便利だ。バッテリーの容量は4000mAhと比較的大きめだ。この辺のインプレッションは後に回したい。
本体のチルト機構は、本体裏の奥に足が2本用意されている。この足は2段式で「足を出さない状態」「小さい足を出した状態」「大きな足を出した状態」の3段階で傾斜を変えられる。一番大きな足を出した場合は9度の傾斜が付く。
個々人の好みによると思うが、筆者は大きな足を出した状態が一番快適に使えた。
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