Decoシリーズの他モデルと比べると、Deco Voice X20はAlexa対応のスマートスピーカーとして使えることが大きな違いだ。
Alexaを有効化した上で「アレクサ、音楽をかけて」と話しかけると、Amazon MusicやSpotifyの音楽を再生できる。Googleカレンダー/Microsoft Outlook/Apple Calenderとの連携設定をしておけば、「アレクサ、次の予定はなに?」と話しかけることで予定を確認できる。「アレクサ、3分たったら教えて」「アレクサ、今1ドルっていくら?」「アレクサ、2700円の税込価格っていくら?」など、単体でも非常に便利なスキルも多数用意されている。
だが、Alexaは他のデバイスと連携するスキルを導入するとさらに活用の幅が広がる。 Deco Voice X20自身もAlexaの音声コントロールに対応しており、「TP-Linkスキル」を追加しておけば音声でDeco Voice X20の一部設定を行えるようになる。
「ルーターを音声で操作して楽しいのか?」という疑問もあるだろうが、例えば以下のような音声コントロールに対応している。
ゲストネットワークの有効化は「アレクサ、ティーピーリンクを開いて友達が来た」と話しかけても行えた。しかし、「アレクサ、ティーピーリンクを開いて友達は帰った」では無効化できなかった。
スマートTVやロボット掃除機を始めとするスマート家電も、Alexaスキルが提供されていればDeco Voice X20に話かけることで操作できる。直接の操作に対応していない家電でも、Alexa対応の「スマートリモコン」を用意すれば操作できる。
今回は、Alexa対応のスマート家電としてTP-Link製のスマート電球「Tapo L530E」を使ってみよう。「Tapo(タポ)」はTP-Linkのスマートホーム製品のブランドで、スマート電球の他にスマートカメラ、スマートプラグを取りそろえている。Tapo L530Eはマルチカラー発光に対応しており、実売価格は2000円と手頃だ。2.4GHz帯のWi-Fiルーター(アクセスポイント)さえあれば利用できるので、スマート家電入門としてもピッタリだ。
Tapo L530Eは、E26口金の電球ソケットがあれば簡単に設置できる。設置後、TapoアプリやAlexaスキルから色、明るさ、オン/オフといった操作を行えるようになる。部屋が暗くなってきたとき、そのままコタツで寝落ちしたいとき、Web会議中にライティングの色合いを変えたいときなど、Deco Voice X20にひと声掛けるだけで部屋の照明をコントロールできるので非常に便利である。
なお、Deco Voice X20のスマートスピーカー機能は、Amazon純正の「Amazon Echoシリーズ」とは利用できる機能に差分がある。具体的には以下の機能には対応しないので注意しよう。
一言でいえば、Deco Voice X20は「メッシュWi-Fiルーター+Alexa」である。その機能自体は、他のDeco製品とAmazon Echoを使えば代替可能だ。しかし、快適な在宅勤務環境作りに当たっては「モノを減らす」ということも非常に大事なポイントである。コタツから動かなくても済むようにと、回りにたくさんのリモコンを並べていては気も散ってしまう。
Deco Voice X20には、メッシュWi-FiルーターとAlexa対応スマートスピーカーを1台で賄えるという“省スペース効果”に加えて、Alexaに対応するスマート家電やスマートリモコンを用意することで机に置くリモコンを削減できるというメリットがある。音声操作なので、Deco Voice X20が手の届く範囲にある必要もない(遠すぎてもダメだが)。目に入るものが少なくなれば、その分仕事にも集中できるというものである。
スマートスピーカーを導入していない人にとっては「そんなに使わないかも……」という懸念もあるかもしれない。だが、先述の通り、参考価格ベースではDeco X20とDeco Voice X20の価格差は6500円である。実売価格では差額はさらに小さくなるので、メッシュWi-Fiとスマートスピーカーの“同時デビュー”にはうってつけの手頃な価格だといえると思う。
なお、Decoシリーズは全モデルで互換性を確保しているため、Deco Voice X20以外のモデルを組み合わせてメッシュネットワークを構築できる。「スペック的にもっと高い親機がいい!」という場合はトライバンド対応の「Deco X90」を導入すればいいし、「この場所ではスマートスピーカーを使わない」という場合は、Deco X20を子機として導入してもいい。
ぜひ、Deco Voice X20の高速で安定したネットワーク技術を活用して、柔軟な発想で快適な巣ごもり環境を実現してもらいたい。
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