「arpara VR」(アルパラVR)は、香港に本社を持つARPARA GLOBAL TECHNOLOGYが手がける5K解像度を実現したVRヘッドセットだ。1.03型のマイクロOLEDディスプレイを搭載し、両目で5120×2560ピクセルに対応しており、単体で利用する「arpara VR オールインワン」と、PCやスマートフォンと接続する「arpara 5K VRヘッドセット(arpara Tetherd 5K)」を用意している。価格は前者が1299ドル、後者は699ドルが予定される。
既に「Kickstater」や「CAMPFIRE」といったクラウドファンディングサービスで先行販売されており、今後も他のクラウドファンディングサービスで展開も予定しているという。
今回、この2機種を含めた同社が投入する予定の機種について、プレス向けの説明会が開催されたので、その内容をお届けしよう。
これらのシリーズの特徴は、何と言っても軽いボディーを採用していることだ。3DoF(Degree of Freedom)対応のarpara 5K VRヘッドセット(arpara VR オールインワンは単体で6DoF対応)自体の重量は約200gで、これに拡張トラッカーの「arpara Tracker」を装着して6DoF対応となるVRゲーマー向けの「arpara Gamer 5K」でも約320gと、Meta Quest 2の約503gよりも軽い。
また、片目5K(2560×2560ピクセル)という解像度を備え、自社開発の1.03型のマイクロOLEDによって映し出される。色域はDCI-P3で約90%のカバー率で、arpara VR オールインワンでは4つのトラッキングカメラで認識するインサイドアウト方式を採用する他、拡張トラッカーを装着したarpara Gamer 5Kでは6つのカメラ(アウトサイドイン方式)で周囲を判断する。
arpara VR オールインワンはSoCがQualcomm XR2で、Wi-Fi 6対応の無線LANとBluetooth 5.2をサポートし、容量6500mAhのバッテリーを内蔵する。重量は約380gだ。
リフレッシュレートについてはarpara 5K VRヘッドセットとarpara Gamer 5Kは最大120Hz(5Kだと70〜90Hz)、arpara VR オールインワンは最大90Hz(5Kは70Hz)に対応する。拡張トラッカーについては別売する計画もあるとのことなので、arpara 5K VRヘッドセット単体を購入したユーザーでも、トラッカーを別途用意すればVRゲームも快適にプレイできそうだ。
ただし、視野角が95度と他社のVRヘッドセットと比べるとかなり狭い。これについて同社は、「小さい体積と軽量化を実現するために視野角を犠牲にしたが、90度というVRとして成立できる最低限のラインはクリアしている」と述べる。
arpara 5K VRヘッドセットはHTCの「VIVEベースステーション」と「SteamVR 1.0」と互換性があるので、「VIVEコントローラー」も利用可能だ。ただし逆に言うと同社からはコントローラーなどは提供されないので、ゲームなどのコンテンツを楽しむためにはこれらのデバイスを用意しなければならない。
なおarpara VR オールインワンは、6DoF対応のコントローラーが標準で付属する。
同社はこの他「arparaland」というVR向けのプラットフォームの提供を計画している。アバターを作成してコミュニケーションを行ったり、ゲームなど独自のコンテンツを楽しめたりするが、アバターを使ったSNSが中心のサービスとなるという。PC向けのコンテンツは開発途中だ。
HTCのアプリストア「VIVEPORT」がプリインストールされ、VIVEPORTで提供されているアプリも利用可能だ。
arpara VR オールインワンだが、バッテリーの駆動時間は動画再生だと3時間程度で、高負荷のゲームでも約1〜2時間はプレイできるという。PCと有線もしくは無線での接続が可能で、「SteamVR」や「VIVEPORT」にも対応するとのことだ。
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