よく見ると実物と製品写真のサイズが違う? 「優良誤認」が疑われる画像にだまされないために牧ノブユキの「ワークアラウンド」(2/2 ページ)

» 2022年03月18日 16時30分 公開
[牧ノブユキITmedia]
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あえて逃げ道を残している?

 こうした例は海外メーカーに多く見られるが、似たような話ならば日本国内でも以前からある。例えば、製品が手のひらサイズであることをアピールしつつ、実際にはその人の手が標準よりもかなり大きめで、実際よりも相対的に小さく見えていたといった具合だ。

 とはいえ、これは人間の手のサイズに基準が存在しない以上、問題になることはない。何より合成をしたわけでもなく、実際に手の上に乗せて撮っているのだから、文句を付けられる筋合いはない。実際にメーカーの宣材写真でもこうした例はみられる。

 しかし写真などの縮尺を変えてまで、自社の製品を小さく見せようとしているとなると、また話は変わってくる。冒頭の例では、わざわざそのために線画を作成している(ように見える)ため、故意を疑われても仕方がない。故意ではないとして、「別の製品と間違えました」くらいしか説明ができないだろう。

 もっとも、問題視された画像は製品が実際よりスリムに見える一方、内容はポートなどの配置を図解しているだけで、具体的な寸法が書かれていなかった。前述のように数値を偽っていれば言い訳しづらいが、その余地を残しているわけだ。

 本稿は真偽を明らかにするのが目的ではないので、これ以上の追求は控えるが、こうした実物とのサイズの相違が発端で、措置命令が出たという話を聞かない以上、これから先もこうした行為はなくならないだろう。

「優良誤認」の疑いがある画像にだまされないために

 ではユーザーとして、こうした「優良誤認」の疑いがある画像にだまされないようにするにはどうすればいいだろうか。単純なことだが、加工が容易なイラストやCGはもちろん、別々に撮影された写真を並べた画像は、「もしかすると」と疑ってかかる癖をつけることだ。

 その点、たとえ撮影テクニックが稚拙でも、実際の製品を背景込みで撮影した写真は、信頼性が比較的高い。特に新旧製品の比較写真は、メーカー自身が出すことはまずないので(多くのメーカーは廃番になった製品であっても自社製品をおとしめる見せ方はNGという暗黙のルールがある)、そうした意味でも貴重だ。自宅で撮影したせいで背後に余計なものが写り込んでいるユーザーレビューの写真ほど、むしろ情報源としては信頼が置ける。

 もちろんこれらの画像でも編集・加工は可能だが、現状ではコストを考えると「そこまではしない」というケースが多いだろう。同じ理由で、動画内で製品を手にとって見せているレビューなども、信頼に値する。一方で動画は動画でも、音声での解説に合わせてメーカーの宣材写真がスライドショーで書き替わるだけの動画は、これらに比べ信頼性は低くなる。

 いずれにしても、画像加工ソフトなどの技術が発達しても、合成が合成であるとバレてしまう現状は、まだ救いがあるといえるのかもしれない。法的な取り締まりが難しいグレーゾーンなだけに、日本の消費者は自ら免疫を付けていく必要はありそうだ。

著者:牧ノブユキ(Nobuyuki Maki)

IT機器メーカー、販売店勤務を経てコンサルへ。Googleトレンドを眺めていると1日が終わるのがもっぱらの悩み。無類のチョコミント好き。HPはこちら


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