続いてキーについて見ていこう。キースイッチはTTCの「silent red keyswitch V3」が採用されている。TTCは中国深センにある企業で、キーボードのメカニカルスイッチの他にも、マウス用などのマイクロスイッチも製造している。
silent red keyswitch V3は押下加重が45±10gfと軽く、赤軸の柔らかさを持ちながらも適度な反発があり、とても入力しやすい。アクチュエーションポイントが1.9±0.6mmと短く、押すとすぐに反応するので、ゲーム中に素早い入力が必要であっても十分に対応できる。
キー入力音はメカニカルタイプながら比較的静かで、スコスコという感覚だ。連続でタイピングしていてもうるさくなく、邪魔にならない。また5000万回のキーストロークに耐えられるとしている。
キーボードバックライトも内蔵しており、ライティングパターンは8種類用意されている。ウエーブや脈動、雨粒などのパターン変更は、Fn+「>」キーで行う。光量と光る速度は5段階の調節が可能で、光量はFn+「↑」「↓」キー、光る速度はFn+「←」「→」キーで変えられる。
バックライトの光量は十分でとてもきれいなのだが、残念なのは白色のみで、いわゆるゲーミングキーボードのように派手な色で光らせることはできない。有線接続のみであることも含めて、このあたりはコストの問題で致し方ないのだろうと想像する。
キーキャップだが、適度なくぼみがあるため滑らかに指をはわすことができ、タイピングしやすい。CapsとCtrlキーの入れ替え用キー、Macで使用するためのCommandとOptionキー、「変換」と「無変換」を交換するための無刻印キーといった、交換用のキーキャップが付属しており、必要に応じて取り換えればよいだろう。
DN-916082を使ってみて思ったのは、キータッチがとてもよいということだ。入力もしやすく、使っていて疲れない。Deleteキーや矢印キーは独立しているので、60%キーボードにありがちな“Fnキー修行”は少なくて済む。バックライトも適度な明るさがあるため見やすく、迷わずにキーを打てるのがよい。つまり、小型でありながら“特に気にせず普通に使える”キーボードなのだ。
また、省スペースなキーボードでよく言われるのが、デスク面がコンパクトになり、マウスが操作がしやすくなるというものがある。この効果は確かにあり、自分のPCデスクで作業している場合はもちろん、食卓などでスペースを確保しながら入力するのであれば、小型キーボードの効果は絶大だ。
これだけ使い勝手がよいキーボードで、税込み7580円というコストパフォーマンスのよさは目を見張るものがある。アドレサブルRGBで派手に光らないのは少々残念ではあるものの、発光ギミックは用意されており、装飾の役割は十分に果たしてくれる。省スペースで使いやすく、求めやすい価格のキーボードを探しているのであれば、本製品は購入する価値が十分にあるキーボードだ。
全国各地にあるドスパラ店頭の上海問屋コーナーに展示されている場合があるので、もし見かけたらぜひキーをたたいて感触を確かめてほしい。
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