デル・テクノロジーズは4月19日に発表会を開催し、同社のモバイルPC「XPS 13」シリーズの最上位モデルとなる「XPS 13 Plus」を国内発表した。現時点では、発売日、価格ともに未定だ。
XPS 13 Plusについては、1月に開催された「CES 2022」で発表されていたが、これで日本国内でも正式に展開されることが明らかになった。
今回発表されたXPS 13 Plusの主なスペックは以下の通りだ。
XPS 13 Plusの主なスペック | |
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CPU | 第12世代Core i7-1260P(最大4.7GHz、Pコア4基/Eコア8基/16スレッド) |
第12世代Core i5-1240P(最大4.4GHz、Pコア4基/Eコア8基/16スレッド) | |
メモリ | 32GB/16GB(LPDDR5 5200MHz) |
ストレージ | 512GB/1TB/2TB(M.2 PCIe SSD) |
GPU | Intel Iris Xe Graphics(CPU内蔵) |
ディスプレイ | 13.4型 |
画面解像度 | 1920×1200(FHD+)非タッチ 非光沢 |
3456×2160(3.5K OLED)タッチ操作対応 反射防止 | |
3840×2400(UHD+)タッチ操作対応 反射防止 | |
無線LAN | Wi-Fi 6 |
指紋/顔認証 | ○ |
インタフェース | Thunderbolt 4×2(電源供給/画面出力対応) |
カラー | プラチナシルバー/グラファイト |
OS | Windows 11 Home/Windows 11 Pro |
本体サイズ | 約295.3(幅)×199.04(奥行き)×15.28(厚さ)mm |
重量 | 最小構成時1.23kg〜(構成および製造時の条件によって異なる) |
主な付属品 | ACアダプター、USB Type-C to USB Type-A 変換アダプター、USB Type-C−3.5mmヘッドセットアダプター |
標準保守サービス | 1年間プレミアムサポート |
新しいXPS 13 Plusのキーワードは以下の3つだ。
最初の「Simplicity」は、Z世代とミレニアル世代をターゲットに考えた結果から導き出されたものだという。Z世代とミレニアル世代については、生まれたときからPCに触れていて、優れたテクノロジーの恩恵を受けた結果であると同社は規定する。
そこで、これらの世代の声を聴いた結果、XPS 13 Plusのコンセプトが出来上がったそうだ。実際に同社が行った日本でのリサーチにおいても、コロナ禍によって若者のPC利用が増えている結果となった。
XPS 13 Plusでは、これらの世代に訴えることを指標とし、そのために考えたコンセプトがシンプル性を重視することだという。以前のXPS 13では、外装の一部にダイヤモンドカット仕上げを行っていたが、XPS 13 Plusでは、より繊細なビーズブラスト仕上げとした。インタフェースについても、何が必要なのかを考えてThunderbolt 4端子を両側面に1基ずつ配しただけとなった。
また、キーボードについても、かなり思い切ったデザインとなっている。
最上段のファンクションキーが静電容量方式のタッチスイッチとなり、従来のファンクションキーは縦幅が約3.2mmであったのに対して、XPS 13 Plusでは約1.4mmになった。この空いたスペースを冷却に活用することで、従来はTDP(熱設計電力)15WのCPUを採用していたのに対し、XPS 13 Plusでは28WのCPUを搭載可能にした。そして、XPS 13 Plusが画像加工や動画再生といった用途にも十分に対応できるモバイルPCであることをアピールする(2つめのキーボード「Efficiency」)。
「ゼロラティス キーボード」と呼ばれるキーボードも特徴的で、丸くくぼむ“キーディッシュ”(キートップのくぼみ)も従来の約0.1mmから約0.3mmに変更された。導入にあたり、約0.1mm/0.3mm/0.5mmまでの深さを検証したが、最終的にこの形になったそうだ。
そして本機で一番目を引くのが、タッチパッド部分だろう。実機を見ると分かるように、境界線がないのだ。タッチパッド部分にはモーターを配置し、クリック感が得られるようになっているが、一般的な触覚タッチパッドでは1つの大きなLRAモーターを使っているのに対し、XPS 13 Plusでは10個の独立したピエゾモーターを内蔵することで、しっかりとクリックしたことが分かるようになっているという。
なお、タッチパッドがどこにあるのかを示す線がないのは、これまでPCを使ってきた人には、中央にタッチパッドがあることが分かっているので、何も示さなくても分かるはず、という知見に基づいているとのことだ。
エアフローについては、3.5mmのヘッドフォンジャックを省いたり、ヒンジの配置を変更したりしたことで大型のファンを内蔵可能になり、エアフローが55%も改善され、ノイズや発熱の増加を抑えながら、高い性能を獲得できたとうたう。
他にも、本体内蔵のスピーカーを4基に増やし、本体の底面とキーボード部に2基ずつ配置した。
XPS 13 Plusのカラーリングは、プラチナシルバーとグラファイトの2色展開だが、製品のトータルな使用感から考えたという。ハイパフォーマンスなPCを使うユーザーに聞いたところ、「明るい体験」と「暗い体験」の2つがあることが分かったとのこと。そこで今回のXPS 13 Plusについても、明るい色のプラチナシルバーと、暗い色のグラファイトの2種類が用意された。また今回の“シンプル”というコンセプトに合わせ、カラーや素材、加工、デザインによって製品の一体感を感じられるようにしたそうだ。
なお、XPS 13 Plusのボディーは低炭素アルミニウムを採用している。水力発電を利用した電気で生産されているため、カーボンフットプリント全体を削減するだけでなく、パッケージについても余分な要素を排除して紙パルプにより成形品で構成されたとしている。
このようにして出来上がったXPS 13 Plusは、リアルとバーチャルの世界を自由に行き来できるモデルとなった。これが最後のキーワードとなる「Connection」だ。キーボード面に取り入れたれたシームレスなデザインもこの考えに基づいて作り上げられているとし、今回の発表会が同社初となるメタバース空間で行われたことも象徴的だ。
現時点で発売時期は未定だが、実機を入手でき次第、レビュー記事をお届けしたい。
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