富士通とリコーは4月28日、富士通が保有するPFUの株式のうち80%をリコーに7月1日付で譲渡することに合意した旨を発表した。リコーが支払う取得費用は概算で842億円(アドバイザリー費用を含む)で、富士通は2023年度に500億円の特別利益を計上する見込みだ。
PFUはドキュメントスキャナ「ScanSnap」やコンパクトキーボード「Happy Hacking Keyboard(HHKB)」で知られる富士通の完全子会社である。PFUは業務用のドキュメントスキャナにおいて世界最大のシェアを、産業用コンピューターボードにおいて国内最大のシェアを有しており、リコーは成長投資の一環としてPFUの株式の取得を決定したという。
PFUの子会社化によって、リコーは業務用スキャナー事業や産業用コンピューター事業における相乗効果の追求や国内におけるITマネジメントサービスの強化を図る方針だ。
一方、富士通はPFUの成長と企業価値向上のためには多くのシナジーを発揮できるリコーへの株式譲渡(リコーグループへの異動)が適切という経営判断を行ったようだ。
なお、富士通とリコーでは今後、両社の事業を補完/強化するためのアライアンス(業務提携)の締結を検討していくという。
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