東プレのREALFORCEと並ぶキーボードといえば、PFUの「Happy Hacking Keyboard」(HHKB)だ。HHKBも東プレ製の静電容量無接点方式スイッチを採用し、価格帯も3万円台半ばなど、REALFORCEとはかなり近いポジションの製品だ。
しかし、REALFORCEが最新シリーズのR3で当初英語配列を出さなかったのに対し、HHKBは最初から英語配列を主軸に置いている。これはそれぞれのキーボードの出自の違いによるものだろう。
REALFORCEは元々、銀行や空港の窓口業務用キーボードなどで圧倒的なシェアを占めていた同社のOEM製品を発端としている。業務に特化した独自レイアウトへのカスタマイズを行いながらも、スイッチに関しては一貫して静電容量無接点方式を採用している。
それに対し、HHKBは東京大学名誉教授和田英一氏の「理想のキーボード」を実現するところからスタートした。招待論文「けん盤配列にも大いなる関心を」冒頭にも述べられている通り、氏の環境にはSun-3やSPARCstation 2といった英語配列の海外製ワークステーションが並んでおり、国内メーカーのキーボードも英語配列として使っている、とある。
そして、氏の観点はキー配置が主であり、HHKB自体も当初はメンブレン方式を採用していた。その後、富士通高見澤コンポーネント(当時)のキーボード生産終了という理由もあったのだろうが、スイッチを東プレ製の静電容量無接点方式に変更している。
そのような出自の違い――スイッチにこだわるREALFORCEと、キー配置にこだわるHHKB、それが英語配列に対する姿勢の違いとして現れたのではないだろうか。HHKBのキー配置はこだわりであるだけにクセが強い(そして中毒性も高い)。オーソドックスな英語配列レイアウトの高品質キーボードとして、東プレには今後も英語配列モデルの販売を続けていただきたいと強く願う次第だ。
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