これくらいの高い完成度を備えていますが、チェックしておきたいのが交換芯の入手性です。がっつり製作に使えば芯は摩耗していくでしょうし、フィルムなどを使えばなおさらです。サポートに問い合わせたところ、ショップなどでは販売していないものの、カスタマーサポートに連絡すれば「ペン先交換キット」を購入できるとのことでした。安心ではありますが、あまり手軽とは言えません。
芯はサードパーティー製のものを買って済ませたりはしたくない人もいると思います。純正芯の入手性はクリエイティブ用途への本気度を示すバロメーターの1つでもあるでしょうし、改善されるとなお良い気がしています。
では、実際に絵を描いて使用感を見ていきましょう。タブレットスタンドで少し浮かせて、Bluetoothキーボードを接続してショートカットキーを多用する、自分の常用PCに近いスタイルです。
今更ラフが描きづらいモデルはほとんどないですが、レスポンスが良いのとペン先の当たりが柔らかいので、雑で素早いストロークで試行を増やす自分のスタイルには都合が良いです。
線画から彩色も、ほとんど詰まることなく進められました。やはり自分にはホバーカーソルが必要です。ただ、筆圧でグラデーションやブラシの濃さを調節する描き方は、自分がアプリの調整をさぼったせいもあって少し難しく感じました。この端末に慣れるにはもう少し時間がかかりそうです。
全体的には、普段の環境にかなり近い作業感で、設定を詰めれば効率的に製作できるだろうと感じました。iPadでの作業では不満が残る、ホバーの欠如や直感的とは少し違う描線の位置なども、本機では問題ありません。
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