Immersive Learning Academyの開始に先立って、Facebook Japanと角川ドワンゴ学園はパイロットワークショップ「メタバースの学校プロジェクト〜SF作家・バーチャル建築家と未来の学校をつくる〜」を実施し、9月7日にその作品の発表会が行われた。
このワークショップは「メタバースの学校」(メタバース空間ならではの学校/教室のデザイン)をテーマに全5回実施され、N高校とS高校の生徒が3つのチームに分かれて検討や作品の制作を進めたという。
今回の発表会で披露されたのは「学んだ知識が積み重なっていく学校」「内面を対話する学校」「動けば動くほど学べる学校」の3つだ。
学んだ知識が積み重なっていく学校は、学習した「本(学習)」が積み重なってらせん階段状となり「木」となるというVR空間だ。「学んだことを視覚的に見返えすことを楽しめることや、振り返ることで学びとしても有意義である」という意見から生まれたという。
「本」はアバターで上り下りすることが可能で、「ここまで学びを積み重ねてきたんだ!」という達成感が得やすいことは確かである。
内面を対話する学校は、今までの学校では「自分の内面を表現できない」という課題に対して、教室内に自分の好きなアイテムを置けるようにすることで、自分の内面に対する理解を深めると同時に、その教室にやってきた他者との交流を通して新しい気付きを得ることを目的としている。
自分の好きな調度品を置けるということもあり、人によっては教室が美術館のようになることもある。教室を通して自分を知ることができるというのは、なかなか面白い着想のように思う。
動けば動くほど学べる学校は、VRとの相性が良い「オープンワールド」を舞台に、現実世界では実現しづらい体験をできる空間だ。具体的には、小人あるいは虫の目線で草原の迷宮や城を歩き回れるという。
“仮想”現実という訳語にもあるように、VRは「仮想空間に現実を構築する」という意味合いが強いようにも思われるが、現実“にはない”体験をしやすいことも特徴である。そのことをうまく捉えた「学校」といえるだろう。
今回の発表会に当たって、駐日米国大使のラーム・エマニュエル氏からビデオメッセージが寄せられた他、前デジタル大臣の牧島かれん衆議院議員が現地であいさつに立った。Metaと角川ドワンゴ学園の取り組みは、国内外からも注目を集めそうである。
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