実際に利用していると、気になるのがボディーの発熱だ。Wacom Cintiq Pro 27での詳細は明らかにされなかったが、大きめのファンを内蔵し、底面から給気して天面部分で排気しており、手が触れる部分の発熱は抑えられているという。
発表会では、ワコム代表取締役社長 兼 CEOの井出信孝氏が登壇し、「当社は道具屋であり、クリエイターのみなさんの筆を絶対に止めないし、筆が走る体験をしていただき、“ワォ”といっていただくのが使命だ」と説明した。
このWacom Cintiq Pro 27を作り出す過程で、社内を横断する組織「チームETC」(Extended CORE Team)をさまざまな部門から集めて結成。これまで偏りがちだった考えや意見をいったんリセットして、ユーザーからの声や課題ポイントを整理し、新製品に反映させたという。
同時に高リフレッシュレート化で発生したノイズ対策や、色味の調整などでも外部パートナーと共同で開発を進めたとのことだ。
続いてスタジオコロリドのアニメーション監督である石田祐康氏も登壇し、事前に貸し出されたWacom Cintiq Pro 27に触れ、普段から利用している従来モデル「Wacom Cintiq Pro 24」との違いなどに触れた。
「やはり新しいWacom Pro Pen 3で細くなったペン先がいいし、ペン自体をカスタマイズできるようになり、一番細くて軽い状態で使っている。まるで鉛筆みたいに最高で、アニメーターのためのペンと思っている」と語った。
加えて「ディスプレイの発色が良くなったし、リフレッシュレートが120Hzになり、ペン先の追従性がアップしたのはありがたい。また、なめらかな書き心地もポイントだ」と新モデルの特徴に触れた。
「Wacom Cintiq Pro 27は、大人数のスタジオやアニメーターで一挙に複数台導入するのもありだが、むしろイラストレーターや漫画家といった個人事業主、少数精鋭でやっているチームへの導入、あるいは買い換えに適しているのではないか」とし、「次はもっと小型なモデルがでたらいいなと思っている」と期待を述べた。
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