Microsoft 365やTeamsをメタバース空間で利用可能に? 「足付きアバター」は難しい? 「Meta Connect 2022」基調講演で分かったこと(2/3 ページ)

» 2022年10月12日 19時30分 公開
[渡辺まりかITmedia]

MR(複合現実)が“現実”に

 Quest 2の前面にはカメラが搭載されており、これを通して装着中も前方の様子を確認できた。これはQuest Proも同様だが、Quest 2と比べると解像度(画素数)が約4倍となり、フルカラーのビデオパススルーにも対応した。これにより、仮想的なマテリアルをリアルな空間に表示しやすくなったという。

 ビデオパススルーの効果だが、例えば、目の前にあるリアルな物体にアニメーションのような効果を与えるということだけでなく、「Meta Magic Rooms」(後日リリース予定)を使うと、オンラインミーティング時にアバターになった自分の仕事仲間を、現実世界の自分の部屋に“招き入れる”ことも可能になる。

 もちろん、リアルの手元にある紙にメモを取ったり、落ちたペンを拾ったり、ドリンクをつかんで飲んだりといったことを、ヘッドセットを外すことなく行える。つまり、VR空間で進む会議から抜けることなく、現実世界にも“アクセス”できるのだ。

仮想ディスプレイ リアルの自室の机上に、仮想空間に構築した「仮想ディスプレイ」を表示させられる。表示解像度が高くなったこともあり、これまでPCで作業していたようにマルチタスクが可能だという
Magic Rooms 今後リリース予定の会議アプリ「Meta Magic Rooms」では、現実世界の空間にアバターを表示させられるようになる

 Quest Proには「Inward-Camera(内向きカメラ)」も搭載されており、「Movement SDK」を通して装着者の表情をリアルタイムで追跡できる。これにより、自分の表情をアバターに反映することも可能となる。

 非言語的な要素も含めたコミュニケーションができるようになり、よりリアルとバーチャルの隔たりが小さくなるという。

内向きカメラ ヘッドセットの内側にあるカメラで自らの表情をアバターに反映しやすくなくなる。表情の豊かさも増す

 Questのプロダクトチームを率いるアンジェラ・チャンしは「物理的な世界からバーチャルへと、シームレスに移行できるようにしたかった」と語る。そしてザッカーバーグCEOは「現実世界と仮想世界を融合させられるのがQuest Proだ。メタバースを構築する道における、重要なマイルストーンになるだろう」と力強く宣言した。

 Quest Proの税込み想定価格は22万6800円からとなる。既に予約の受け付けを開始しており、10月26日に発売される予定だ。

クレードル 充電に便利なクレードルも付属する

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