Arctis 9は、独自の2.4GHz帯通信とBluetooth(Bluetooth 4.1、対応プロファイルはA2DP/HFP/HSP)接続に対応している。2.4GHz通信は、付属の「ワイヤレストランスミッター」をUSB Type-Aポートに接続して利用する。出荷の段階でワイヤレストランスミッターとヘッドセットとはペアリング済みなので、USBポートに差してヘッドセットの電源を入れれば利用可能だ。
これにより、両方式を併用して同時に2台の機器と接続できるのが面白い。例を挙げると。トランスミッターをPS5やXboxにつなぎ,Bluetoothでスマートフォンと接続すれば、スマホのボイスチャットアプリで通話しながらゲームを楽しめる。同様にして、無味乾燥なビデオ会議中にBGMで音楽を聞いたり、さらにはゲームをプレイしたりしつつビデオ会議も行えるのだ。
ワイヤレストランスミッターにはスライドスイッチがあり、PC接続とゲーム機接続を切り替えて使うことになる。またワイヤレストランスミッター本体には3.5mmのゲーム入力端子とLINE出力端子が用意されている。LINE出力端子に別途スピーカーを接続しておけば、ゲームの音などを流すことができ、ヘッドセットが接続された際には自動的にLINE出力端子からヘッドセット出力に切り替わるため便利だ。
Arctis 9の特徴の1つが、2.4GHz帯の通信とBluetooth接続を同時に利用できるということだ。デスクトップPCやゲーム機にワイヤレストランスミッターをつなげてゲーム内の音を聞きつつプレイし、PCやスマホとBluetoothで接続してチャットをするといった使い方も可能だ。本機に内蔵されているマイクは「Arctis ClearCastマイクロフォン」と呼ばれ、Discordの認定を受けている。
マイクは左側のイヤーカップに収納可能で、そのままの位置でも使えるが、引き出して口元近くで使うこともできる。試してみたところ、当然ながらマイク部分を引き出して口元に寄せて使った方が集音効果が高かった。
またワイヤレストランスミッターとBluetooth接続の音質の違いだが、BluetoothはA2DPのプロファイルに対応するものの、ワイヤレストランスミッターであれば後ほど述べるユーティリティー内にある「Sonar」での音質調整が可能だ。説明書などにも書かれている通り、Bluetooth接続はチャット専用として考えた方がよい。
Arctis 9のイコライザー設定などは、Steel Seriesユーザーならおなじみの「SteelSeries GG」から行う。GGはSteel SeriesのWebサイトからダウンロードしてインストールする必要がある。対応OSはWindows 8.1以降、macOS 10.13以降だ。
GGをインストールすると左にメニューが用意され、「Engine」という項目がArctis 9のメイン設定画面となる。「機材」というタブに「ARCTIS 9」と表示されるので、それをクリックすると設定画面が現れる。ここには「残り」という表示で、Arctis 9の電池残量も分かるようになっている。
Engineでは「オーディオ」というタブで、7.1chサラウンドである「DTS Headphone:X v2.0」のオン/オフや「ゲーム」「スタジオ」「シネマ」のサラウンドプロフィールを設定できる。また「ステレオのプロフィール」として、「狭い部屋」「広い部屋」といったシミュレーション効果を付与できる。それぞれの項目は直感的に分かるようになっており設定は簡単だ。
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