ソニーが7月8日に発売した「INZONE(インゾーン)」ブランドのゲーミングヘッドセットには、無線モデルの「INZONE H9」「INZONE H7」と有線モデルの「INZONE H3」の3機種が用意されている。興味はあるものの「3つもあってどれを選んだらいいのか分からない!」という人もいるだろう。
本来であれば「迷ったら(どうせ買うなら)最上位機種のH9を選べ!」と言いたい所だが、INZONE H9の税込み実売価格は3万円台半ばなので、予算的に厳しい場合もあるだろう。そこで今回は3モデルから選ぶ場合に注目すべきポイントを探りつつ、各モデルの概要を紹介していこうと思う。購入を検討している人の参考になれば幸いだ。
ソニーは10月13日から、INZONEゲーミングヘッドセットの無線モデル(INZONE H9/H7)に対して、相手に伝わる音声の品質を改善するソフトウェア更新を実施しています。詳細は、ソニーマーケティングのサポートサイトを確認してください。
【訂正:10月19日15時50分】初出時、INZONE H3がマイクブームを上げることによるマイクミュートに非対応という旨を記載していましたが、実際は対応しています。おわびして訂正いたします
まず、各機種の値段からチェックしてみよう。10月13日時点における税込みのソニーストア(直販)価格は以下の通りとなっている。
単純に価格だけ比較すると、INZONE H9を買えるだけのお金を用意すればINZONE H3を約3.7個購入できる。もちろん、これだけの価格差が付くということは、機能面にも差があるということなので、この後の段でチェックしていく。
本体だが、3モデル共に左ユニットに跳ね上げられるブームマイクを備えていることに変わりはない。また、ワイヤレスモデルであるH9とH7については外観上の差もほとんどない。しかし、このブームマイクに細かい違いがある。
H3のブームマイクは集音も単一指向性である。それに対してH9/H7のブームの正面と背面にあるマイクから集音できる両指向性となっている。いずれのモデルもブームマイクを跳ね上げるとマイクミュートとなる。
INZONE H3は有線タイプで、PCなどのイヤフォン/マイクコンボ端子に直接差し込める3.5mmの4極プラグを備えている。4極プラグを備えないPCとは、付属の「USBオーディオボックス」を介して接続可能だ。このUSBオーディオボックスは、USBオーディオデバイスとして認識されるので特別なデバイスドライバーを用意しなくてもすぐに使える。
自分自身には電源は必要ないため、重量はケーブル部込みで約299gと、H9やH7と比べると若干軽い。なお、ケーブルの長さは実測で約1.2mと長めで、USBオーディオボックスのケーブル(約1.8m)と合わせると最長で約3mとなるので、取り回しに困ることはほとんどないだろう。
一方、INZONE H9とINZONE H3はワイヤレス接続となる。BluetoothでPCやスマホとつなげる他、付属の「USBトランシーバー」を介してPCやPlayStation 5からの音声を伝送することもできる。Bluetoothでの音声伝送コーデックは「SBC」と「AAC」にのみ対応する。自社開発したハイレゾコーデック「LDAC」には対応していないが、ソニーの担当者は「これからいろいろな声を聞いて(対応を)検討する」と語っていた。
ワイヤレス接続ということは、何らかの方法で駆動用の電源を確保しなければならない。H9/H3の場合、本体に充電式バッテリーを搭載しており、そこから電源を確保する。そのため、重量はH9が約330g、H7が約325gと、H3と比べるとやや重い。
なお、H9/H7をBluetooth接続している場合、後述するユーティリティーアプリで設定を行えないので注意しよう。
今回紹介している3モデルは、いずれもスピーカー部に約40mmドライバーユニットを使っている。しかし実際に聞き比べてみると、INZONE H9/H7はH3よりも低音がしっかりと響くまた、デジタルボリュームのステップが細かいのか、H9/H7の方がH3よりも音量の微調整をしやすい。
イヤーパッドは、最上位のH9がソフトフィットレザーを使っているのに対して、H7とH3はナイロン素材を利用している。ソフトフィットレザーの方が耳回りにピタッとくっついて、若干心地よい気がする。
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