ノイキャン+ハイレゾ対応DACを搭載! 光るヘッドセット「ROG Delta S Animate」でGWを乗り切る(1/2 ページ)

» 2022年04月28日 12時30分 公開
[今藤弘一ITmedia]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 ASUS JAPANから発売された新型ヘッドセット「ROG Delta S Animate」(以下、Delta S)は、同社のゲーミングブランド「ROG」の名を冠した「ゲーミングヘッドセット」で、価格はオープンプライスだが、実売で3万4800円(税込み、以下同様)前後となっている。

 しかしこの製品、ROGのゲーミングデバイスであることは分かるが、製品名に“Animate”と付いているのは一体何なのか。そのあたりも探りつつ、試用レポートをお届けしよう。

ROG Delta S Animate ASUS JAPANのゲーミングヘッドセット「ROG Delta S Animate」。重量は単体で約310g、マイクやケーブル込みだと実測で354gだった

D型を描く特徴的なイヤーカップ 2種類のクッションが付属

 Delta Sの基本スペックから押さえておこう。Delta Sのパッケージにはヘッドフォン本体の他、「ROGハイブリッドイヤークッション」、着脱式のブームマイクの他、本体から伸びるケーブルの端子がUSB Type-Cのため、長さが約1mのUSB Type-C→Type-A変換ケーブルが付属する。ちなみに、この変換ケーブルは規格違反品となるので注意が必要だ。

 本体じか付けのケーブルは約1.5mの長さがあるので、手持ちのノートPCの両脇にあるUSB Type-C端子に取り付ける分にはちょうどよい長さだった。ただし、床置きのデスクトップPCだとちょっと短い可能性もある。

ROG Delta S Animate パッケージの付属品一覧。「ROGハイブリッドイヤークッション」がセットになっている

 本体のイヤーカップは、よくあるヘッドフォンの円形とは異なり、頭の前方から後方にかけて半円を書く「D型」をしているのが特徴だ。耳の形は同じように後方に向かって半円を書いているので、理にかなったデザインともいえる。

 Delta Sのイヤーカップは独自開発の密閉型チャンバーで構成されており、チャンバー内の空気を完全に密閉する特別なエアタイトチャンバーデザインを採用している。「ASUSエッセンスドライバー」と呼ばれるドライバーはネオジムマグネット製で、サイズは約50mmと大きい。インピーダンスは32Ωで、20Hzから4万Hzまでの周波数特性を持つ。

ROG Delta S Animate 装着イメージ
ROG Delta S Animate D型をしたイヤーカップ
ROG Delta S Animate 調節エリアは数字が切られている

 イヤーカップに取り付けるイヤークッションには、あらかじめ取り付けられている「ROG急速冷却プロテインレザーイヤークッション」と共に、「ROGハイブリッドイヤークッション」も付属する。

 ROG急速冷却プロテインレザーイヤークッションは100%のプロテインレザーに加えて、保護材として急速冷却メモリーフォームが使用されており、柔らかくかつ熱がこもりにくい仕様となっている。

 一方のROGハイブリッドイヤークッションは、プロテインレザーとファブリックメッシュを使用しており、通気性が良好で、長時間のゲームプレイでも蒸れない。

 実際にこの2つを付け替えて比べたが、ROG急速冷却プロテインレザーイヤークッションの方はメモリーフォームのおかげでひんやりとした感触があり、長時間つけていてもいやな感じはしなかった。

 またROGハイブリッドイヤークッションの通気性は良好で、これもまた長時間の使用に耐えたが、通気性のために犠牲になるのが音漏れだ。ゲームなどの激しい音を聞いていると、静かな部屋ではボリュームを絞っていても音漏れがかなりあり、家人から注意を受けてしまった。逆にROG急速冷却プロテインレザーイヤークッションでは、音漏れは特に気にならずに使用できた。

ハードウェアのMQAレンダラーに対応するDACを搭載

 Delta Sには、ハイレゾ対応のDAC兼アンプとなるESS Technology「ES 9281PRO」が搭載されている。これにより外部DACがなくてもハイレゾ音源を再生できる。384kHz/32bitまでのPCM再生に対応するだけでなく、「MQAレンダラー」にも対応している。

 ASUS JAPANの広報資料によると「無損失のオーディオ処理が可能なQUAD DAC技術を備えており、低音、中音、高音、超高音までの可聴周波数範囲のサブセットに信号を割り当て、市場のデバイスより高い130dBでの信号対雑音比でクリアなサウンドを生成する」とアピールしている。

 このため、FPSゲームなどでは敵の足音などを判別して絞り込むことが可能だ。実際「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS」で試してみたが、確かに敵の足跡が建物を回り込む様子などが手に取るように分かり、戦うことができた。Armoury Crateで「バーチャルサラウンド」をオンにすると、より広い音場になって3Dで音が聞こえてくる。ゲームプレイ中は、こちらはオンにしておきたい。

ROG Delta S Animate 「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS」での戦闘の様子
ROG Delta S Animate 建物の中にいても敵の動きが分かり、“ドン勝”できた

 続いてMQAレンダラーについて述べておこう。これは「Master Quality Authenticated」の略で、音楽データを「折り紙」に例えられる独自の折りたたみ技術でパッケージ化する圧縮方式のことだ

 Delta S内蔵のDACはMQAレンダラーに対応しており、別途MQAコアデコード対応のソフトウェア(RoonやTIDALなど)を使えば、MQA対応の音楽ファイルを本来のクオリティーで再生できる。MQAに対応しているストリーミングサービスとしては海外だとTIDALが有名だが、日本ではMQAをサポートするストリーミングサービスはまだなく、e-onkyo musicがMQA対応ファイルの配信を行っている。筆者はTIDALのアカウントを持っているので連携させたRoonを利用して再生してみたが、その音の広がりは一聴しても分かるほど豊かだ。

ROG Delta S Animate MQAで再生できているのかは、ユーティリティーの「Armoury Crate」で分かる。左下に「MQA」という項目があり、「状態 MQA」となっていればMQAをデコードして再生している

強力なノイキャン機能を持つマイク

 Delta Sに採用されている着脱式の「ASUS AIノイズキャンセリングマイク」は、5000万種類以上のバックグラウンドノイズを低減して、ゲーム内でクリアな音声通信を実現するために、音声の高調波を維持する専用をプロセッサを搭載しているという。

 ゲーム内チャットやLINEなどでの音声通話をしてみたが、相手にはクリアに声が伝わっていた。ただしノイズキャンセリングの効きが良すぎて、「中」でもマイクを口元から離すと声が聞こえなくなってしまった。このあたりは実際に試して調整しよう。

 なお、マイクの集音パターンは単向性で、アクティブ・ノイズキャンセリング(ANC)機能は非搭載だ。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

最新トピックスPR

過去記事カレンダー