冒頭で触れた通り、TM152M4N1(とTM152M8N1)が発表された当時は「スペックと価格のバランスが不釣り合い」という意見が多く見受けられた。その「不釣り合い」の箇所は、メモリや内蔵ストレージの容量というよりも、搭載しているSoC(System-on-a-Chip)、つまりプロセッサのスペックである。
TM152M4N1に搭載されているプロセッサは、MediaTek製の「Helio P90(MT6779)」である。このプロセッサは2018年にリリースされたもので、ミドルハイレンジのスマートフォンやタブレットで使われることを想定していた。現在も、低価格スマホ/タブレット使われる例はある。
もしもTM152M4N1の税込み実売価格が5万円台程度であれば、「このスペックにこのディスプレイならおトクかも」という印象を持てたかもしれない。しかし、先述の通り、TM152M4N1の通常直販価格は8万7800円に設定された。セールがあれば7万円弱で購入できることもあるものの、それでも「画面が大きいとはいえ、この価格でこのプロセッサ?」という意見が出てくるのも致し方ない面もある。
Android版の「CPU-Z」でHelio P90の情報をチェックする。CPU部分は8コア構成(Pコア2基+Eコア6基)で、GPU部分は「PowerVR Rogue GM9446」を備える。4年前のミドルハイレンジ端末向けということもあり「この値段でこのスペックなの?」と思ってしまう気持ちも分かる実際にベンチマークテストを実施してみるとどうか。「Geekbench 5」でテストをしてみると、シングルコアスコアが「269」、マルチコアスコアが「925」となる。これは同時期のQualcomm製SoC「Snapdragon 660」の平均的なスコアより少し低い程度である。
今回、手元にSnapdragon 660を搭載するスマホやタブレットが無かったため、「Snapdragon 765 5G」を搭載するGoogle製ミドルハイレンジスマホ「Pixel 5」(2020年発売)を使って同じテストをしてみた。すると、スコアはTM152M4N1の約2倍となる。この傾向は、3Dグラフィックスのベンチマークテストアプリ「3DMark」でも同様だ。
2020年発売のミドルハイレンジスマホと比べてこの結果であれば、率直にいってスペック面で批判が出るのも無理はない。
もっとも、Helio P90であってもフルHDでの動画視聴やWebブラウジングは全く問題なく行える。また、ビデオ通話も問題ない。メーカーがWebサイトなどで提案する使い方の範囲内であれば、大画面であることも手伝って非常に快適である。
一方で、今どきのグラフィックスに凝ったゲームをするには荷が重そうである。せっかくなので、大画面でゲームを楽しみたいところなのだが……。
なお、TM152M4N1には8000mAhの大容量バッテリーが搭載されている。YouTubeのフルHD動画を連続再生した所、実測で7時間程度視聴できた。ネット動画用タブレットとしては結構いい感じに使えそうである。
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