2022年6月に日本語配列12モデルで販売が開始された東プレの「REALFORCE R3S」シリーズに、英語配列6モデルが追加された。REALFORCE R3Sは2017年のR2シリーズのバージョンアップモデルという位置づけだが、実際には有線モデルとして正統な進化を遂げた最新モデルに仕上がっている。
このREALFORCEシリーズの発売から20年目となる2021年、11月に第3世代となるREALFORCE R3が発売された。当初発売された20モデルは全て日本語配列モデルであり、英語配列愛好者を大いに失望させたものだった。だが、日本語配列モデルに遅れること4カ月、2022年3月には英語配列6モデルが発売され、安堵(あんど)の空気が広がった。
それからわずか3カ月後の2022年6月、新シリーズとなるREALFORCE R3Sがまたしても日本語配列モデルのみで発売となった。R3SはR3と比べると廉価なシリーズであるため、製品数が絞られている英語配列モデルが発売されるかどうかは不明だったが、フタを開けてみればR3同様、日本語配列発売から4カ月後の10月に6モデルでの発売と相成った。
自分自身が購入するかはさておいても、英語配列愛好者にとってはモデルが途絶えないことは非常に重要だ。合わせて、新製品の英語配列は日本語配列が登場してから4カ月後に出るという実績が積まれたことも歓迎したい。
ところで、東プレのプレスリリース(PDF)によると、R3Sは「REALFORCE R2キーボードのバージョンアップモデル」とされている。なぜ前モデルのR3ではなく、R2なのだろうか。ひょっとしてR3は失敗作だったのだろうか、と勘ぐった人が中にはいるかもしれないが、これはR3Sが有線モデルのみであることに起因する。
R2からR3のモデルチェンジでは多くのモデルがBluetoothをサポートし、初のワイヤレス対応を果たした。そして、ワイヤレスになることで外部以外からの電力供給をサポートしなくてはならなくなった。
そのためにR3は、ボディーの奥行きを約142mmから163mmに伸ばし、そこに電池ボックスや電源スイッチを搭載した。奥行きに余裕ができたためか、4つのLEDインジケーターもボディー上部に移動している。
しかし、R3には数は少ないもののUSB接続のみをサポートする有線モデル「R3Uxxx」も存在する。R3のボディーデザインは各モデル共通であり、電源関連の機能が不要な有線モデルでも奥行きは長く、電源スイッチ(と同じデザインのボタン)も配置されている。
R3の電源スイッチには、電源オン/スリープの機能だけでなく、短押し/長押し/Fnキー同時押しによる複数の機能が割り当てられているため、有線モデルでは電源スイッチではなく「切替えスイッチ」という名称になっている。とはいえ、このような天板の“一等地”に配置するほど高頻度に利用する機能ではなく、先に搭載が決まってしまったボタンを何とかして活用しようとしたというような印象がある。
R3Sはそのような、ハイブリッド接続モデルにそろえるための大型化、追加された必要性の薄いボタンを廃し、有線モデルとして必要十分なボディーを実現すべくR2をベースにしたものだと言える。
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