その他、R3有線モデルのキートップが昇華印刷であるのに対し、R3Sはレーザー印刷という違いがある。ミドルレンジクラスまでのキーボードでよく採用されているシルク印刷とは異なり、どちらも摩耗に強く、耐久性に優れた印刷方法ではあるが、特にREALFORCEシリーズでは昇華印刷の方が、より耐久性の高い印刷技術として認識されているようだ。
昇華印刷は、インクを高熱でキーキャップに染みこませる印刷方法だ。REALFORCEの昇華印刷は黒色のみで、ブラックモデルでは視認性は高くないものの、「ほぼ無刻印」にも見えるため、こちらを好む人も多い。
一方、レーザー印刷はレーザーで表面を焼く印刷方法で、ブラックモデルではサンドベージュに近い色で視認性も高い。両印刷とも、シルク印刷のように表面にインクを乗せるのではなく、剥げたり薄くなったりしにくい技術であるにも関わらず、両者間に大きな性能差があるように認識されているのかというと、おそらくキーキャップの素材によるものだと思われる。
印刷時に高熱となる昇華印刷では融点が高く、キーキャップには耐久性の高いPBTが使用される。その一方で、レーザー印刷ではそこまでの耐熱性が必要とされないため、安価なABSでも使用できる。
ところが、ABSは使用していると摩耗してしまい、テカりやすくなるという問題がある。実際、REALFORCE R2まではレーザー印刷モデルにはABSが採用されていたため、レーザー印刷は耐久性が低い、というイメージになってしまったのではないだろうか。
R3/R3Sでは両印刷ともキーキャップの素材にはPBTが採用されている。耐久性の差もかなり小さくなっていることが期待できる。
その他のスペックは、R3有線モデルに相当する製品がR3Sにも存在する(テンキーレス/日本語配列/ブラック/45g/静音のR3UC11に対して、R3SC11など)。R3モデルのR3UC11が2万5300円(直販のREALFORCE Store価格/税込み、以下同様)であるのに対し、R3SモデルのR3SC11が2万3100円なので、昇華印刷へのこだわりがない限りは、R3有線モデルを選択する理由はあまりなさそうだ。
もっとも、R3有線モデルには英語配列が存在しないため、英語配列愛好者が有線モデルを購入する場合は必然的にR3Sを選択することになる。
続いて、英語配列の6モデルをチェックしていこう。
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