本機のCPUは、MediaTek Kompanio 520を採用する。2022年にChromebook向けとしてリリースされたSoCで、2つのCortex-A76コア(最大2.0GHz)、6つのCortex-A55コア(2.0GHz)の計8コアで、GPUはARM Mali-G52 MC2だ。メモリは8GB(LPDDR4X)、ストレージは64GB(eMMC)を搭載している。
インタフェースは右側面にスタイラスペン収納、USB 3.2 Gen1 Type-C、ボリューム調整ボタン、電源ボタンがある。一方の左側面にケンジントンロックスロット、USB 3.2 Gen1 Type-C端子、USB 3.2 Gen1 Type-A端子、3.5mmのオーディオ端子、そしてmicroSDスロットが並ぶ。
なお、USB 3.2 Gen1 Type-C端子は、本体への給電(USB Power Delivery)とDisplayPort Alternate Modeによる映像出力に対応する。
無線関連は、Wi-Fi 6とBluetooth 5.1をサポートしている。
バッテリーは2セル/42Whで、Google独自の測定方法による駆動時間は約12.1時間となっている。実際に画面の明るさ50%、音声ミュートの状態でYouTubeを連続再生してみたところ、約13時間でバッテリー切れとなった。
Chromebookはもともとバッテリーの持ちがよく、スリープ状態であればバッテリーの消耗もほとんどない。これだけ電池が持てば、安心して外に持ち出せそうだ。
ここからはベンチマークで実力を確認していこう。
ChromeOSはGoogle PlayからAndroid用のアプリをインストールして利用できるので、今回はAndroid用の「Geekbench 6」「PCMark」「3DMark」を利用した。
まずGeekbench 6の結果だが、シングルコアが636、マルチコアが1607だった。MediaTek MT8183(最大2.0GHz×4 最大800MHz×4)のASUS Chromebook Detachable CM3(シングル315、マルチコア1193)と比べるとシングルでは2倍、マルチも1.3倍ほどのスコアとなっている。
PCMark for AndroidのWork 3.0は7468で、比較用のDetachable CM3のスコアは6379だった。
3DMarkでは「Wild Life」が729、「Sling Shot」が2183となった。このスコアだけだと何とも言えないのだが、FPSの項目はいずれも低く、ゲームなどは苦手そうだ。
ゲーム用途には不向きでも、他のスペックはChromebookとしては高い水準でまとまっている。ASUSにはIntel Coreプロセッサを搭載し、そのままWindows PCとしても通用しそうなスペックのChromebookもラインアップされているが、そうしたモデルはスペックに比例して価格も高くなってしまう。
そう考えると、本機は価格とスペックのバランスがよく、学習用途やオフィス文書の作成などChromeOSがもともと想定されていた用途で活躍してくれそうだ。Chromebookに興味はあるものの、使い物にならずに結局安いWindows PCを買い直すことになるのではと心配しているのであれば、ぜひCM14 Flipを試してみてほしい。
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