Apex 9 Miniは冒頭述べた通り、できる限りのキーを取り除いた60%キーボードだ。一口に60%といっても、販売されている機能は各社まちまちで、特に差が大きいのがFnキー(Apexシリーズで言うところのSSキー)の位置だろう。
ファンクションキーやその他の機能を利用するためにショートカットキーと合わせて使うのがFnキーだが、キーボードによって配置されている場所が異なるため、慣れるまでに時間を要する。また、指の位置がこんがらがってアクロバットのように利用しなければならないキーボードもままある。筆者も、右下にあるSSキーと、その上にある「;」や「:」に矢印キーが割り当てられているキーボードを使ったときは、右手の指がつるかと思う経験をしたことがある。
ただし今回紹介するApex 9 Miniの場合はそのようなことはなく、SSキーは右下、矢印キーはキーボードでゲームをプレイしている人であればなじみのあるWASDに割り当てられているので直感的に使いやすい。なおこちらも本体にはアルミニウム合金が採用されており、しっかりとした重さでブレることもなく利用できる。
本体サイズは約293(幅)×103(奥行き)×40(高さ)mmで、本体底面の中央にはキーキャップリムーバー入れが配置されており、2段階のチルトレッグはApex PRO TKLと同様に、実測で5度と10度の傾きがつく。OSはWindowsの他、macOSやUSBポートのあるXbox、プレイステーションに対応する。
キーボードのスイッチは「OptiPoint光学スイッチ」だ。光を利用してキーストロークの深度を検出するため、従来よりも33%高速化し、0.2秒の反応速度を実現したという。
キーストロークは「Typing Mode」と「Gaming Mode」の2種類を選択して利用できる。この2種類でどう変化するのかはマニュアルにも公式サイトにも掲載されていないのだが、公式サイトに「高速で軽い1mmのキープレスと精度重視の1.5mmのキーストローク間で作動深度を変更することで、あらゆるゲームに適応できます」とあるので、Typing Modeでは1.5mm、Gaming Modeでは1mmのキーストロークに変化すると思われる。
キータッチは、Typing Modeだと若干重めになるが、総体的に軽いタッチで操作できるので、入力時の抵抗はあまりない印象だ。Gaming Modeは確かに軽く、少し触れただけでもキー入力できるように感じた。
なおキースイッチは全て交換可能で、対応するのはクリッキー(青軸)とリニア(黄軸)、タクタイル(紫軸)の3種類だ。SteelSeriesのサイトで販売されている。キースイッチリムーバーは本体に付属しないので、別途購入する必要がある。
この他、SteelSeries GGを使うと「キーバインド」でキーの役割変更、「メタバインド」でSSキーとの組み合わせで使うキーを設定できる。
Apex 9 MiniもSteelSeries GGにあるEngineでライティングをコントロールできる。設定できるのはApex PRO TKLと同様で、さまざまなエフェクトをかけることが可能だ。
ここまでApex PRO TKLとApex 9 Miniについて見てきたが、いずれもコンパクトに使えるキーボードなので、自分が欲しいと思うキーはどこまで必要なのかを考えて選んでいくとよいだろう。
Apex PRO TKLはテンキー以外のキーがほぼ用意されているので、特に抵抗なく使える。またアクチュエーションポイントを自由に変更できるのはとてもうれしい。
対してApex 9 Miniは必要なキーをできるだけ絞って作られた60%キーボードなので、コンパクトに使えるため、置き場所を選ばずに利用できるのがよい。自分のプレイスタイルに合わせて、TKLか60%かを選んでいくとよいだろう。
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