2019年から始まった「GIGAスクール構想」で導入された学習用端末の置き換えが、2024年度から順次始まる。そのことに備えて、文部科学省は2023年度補正予算において、2025年度までに必要な予算措置を行った。この置き換えでは、端末の要件が一部変更された他、公立学校における端末の調達(購入/リース導入)について、原則として都道府県が市町村/特別区(※1)と共同(一括)で行うことを求めている。
(※1)複数の市町村が「一部事務組合」を通して学校を設置している場合は、その一部事務組合も含む(以下同様)
新しい学習用端末の調達がどのように行われるかは、都道府県が設置する「共同調達会議」によって決められる。市町村/特別区が従来使っていた端末(OS)の流れをくんで“現状維持”できるように要件が定められる可能性がある一方で、議論の行方によっては都道府県内で端末(OS)が“統一”される可能性もある。
そのこともあってか、学習用端末のメーカーや、OSを供給するプラットフォーマーは「EDIX東京 2024」を始めとする展示会や、自社主催のイベントなどでアピール合戦を繰り広げている。この記事では、次世代のGIGAスクール構想「Next GIGA」における端末メーカーやOSの動きを見ていこう。
【更新:5月24日18時10分】一部記載を更新しました
端末メーカーやOSの動きを見る前に、都道府県における共同調達会議の流れを簡単に説明する。
公立学校におけるNext GIGA向けの学習用端末の調達は、原則として都道府県が市町村/特別区と共同で行うことになっている。これは主に共同調達によるスケールメリットを追求するためだ。都道府県による共同調達は、基本的に以下の流れで進められる。
上記にもある通り、市町村/特別区は共同調達から離脱できる。ただし、以下のいずれかの条件に当てはまる場合のみとなり、前編でも触れた通り共同調達会議からの離脱はできない。
(※2)例えば「小学校課程では『都道府県の仕様書通りの端末』を導入し、中学校課程では『仕様書よりも高スペックの端末』を導入する」という市町村/特別区は、中学校課程のみ共同調達から離脱する(小学校課程の分のみ参加する)ことができる
(※3)地方自治法では、政令指定都市の要件を「人口50万人以上」としている。これだけの人口があれば、共同調達に参加しなくてもスケールメリットを生かせるため、オプトアウトを許容したものと思われる
(※4)「地方公共団体の物品等又は特定役務の調達手続の特例を定める政令」の第4条に定める調達契約
なお、オプトアウトする際の窓口も都道府県が設けることになるが、共同調達会議を窓口とすることも可能だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.