未来を創る「子どもとプログラミング教育」

日本最大の教育展示会「EDIX 東京」に大盛りランチパック!? GIGAスクール構想のその先を見てきた(1/5 ページ)

» 2024年05月10日 19時48分 公開
[渡辺まりかITmedia]

 5月8日から10日にかけて、東京ビッグサイトで開催された日本最大級の教育向け展示会「EDIX 東京」。2021年度にスタートしたGIGAスクール構想も一段落し、文部科学省では2025年度に第2フェーズである「NEXT GIGA」あるいは「GIGAスクール構想 2.0」と呼ばれる取り組みに着手する動きを見せている。

 しかし、1人1台が持つデバイスや学内ネットワークの充実化は図れたとはいえ、利用状況には地域格差が生じているようだ。例えば教師のITスキル不足、想定外の使い方で破損してしまったデバイス、バッテリー劣化といった経年劣化で必要になったリプレース──現場ならではの課題への対応に追われることも多いという。

 会場で見かけたハードウェアに関しては前編で紹介したので、本稿では教職員も含め、学校現場に関係する人たちが導入したデジタル機器を使いこなすためのヒントや、教職員の業務効率化、児童生徒の学校生活の質を上げるソリューションなどを紹介しよう。

EDIX 東京 EDIX 東京

学習の“面倒さ”を軽くするソリューションを提案――カシオ計算機ブース

 遠い昔、「学習係」を拝命していた筆者は、週に3回ほどの頻度で登校してから職員室に足を運び、ガリ版印刷機を借りてクラス全員分の朝自習用プリントを印刷していた。小学校なので印刷機の数は多かったものの、職員が優先されるため待ち時間が生じることもあった。

 現在ではロウ原紙に鉄筆で書いていくという作業は不要だが、それでも作った課題を配布するため印刷するのは手間がかかる。授業前の休み時間、朝の始業時間の前などではプリンタの前が行列になっていることもあるからだ。これではいくら業務がデジタル化したとはいえ、作業効率アップにつながっているとはいえない。

カシオ計算機 カシオ計算機ブース

 そこで登場するのが、カシオ計算機が開発する授業支援機能搭載のオールインワンICT学習アプリ「ClassPad.net」(クラスパッドネット)だ。ClassPad.netにはオンライン辞書機能、デジタルノート機能、ツール機能、授業支援機能という4機能を搭載している。

ClassPad.net ClassPad.netの機能

 オンライン辞書機能は、同社の電子辞書「EX-word」からジーニアス英和辞典/和英辞典、旺文社生物事典/化学事典、物理事典、日本大百科全書、明鏡国語辞典など厳選したコンテンツを利用できる。デジタルノート機能では、紙のノートと変わらない、しかしそれ以上に便利なオリジナルノートを作成できるという。教師は板書時間を削減できるし、生徒は端末1つで全教科のノートを管理できるというメリットがある。

オンライン辞書機能 オンライン辞書機能はカシオ計算機ならではの強みを生かしたものだ

 ClassPad.netにある付箋機能は、学習に深みを与えてくれる。手書き、キーボードからのテキスト入力、カメラで撮影する静止画や動画、リンク、辞書で検索した内容、その他にも録音や数学ツールといったものを駆使して付箋を作成し、課題やノートに貼り付けられる。付箋で扱えるファイルはPDF、Word、Excel、PowerPoint、JPEGやPNG、GIFやMOV、MP4など。紙のノート以上に、学習がはかどりそうだ。

自由な付箋 自由な付箋

  授業支援機能では、教師の授業準備の手間を省力化できる。同アプリ内で作成した課題、あるいは用意されている副教材を、印刷することなくアプリ上で生徒に配布できるからだ。

 生徒はキーボード、ペン入力、音声録音などを駆使して課題を完成させた後、教師が設定した提出期限内にアプリ上で提出する。教師は、提出課題を端末内で採点または添削して、アプリ上で返却できる。生徒の提出した課題を一覧表示できるため、未提出の生徒もすぐに分かる。提出された課題を電子黒板に投影するなどして、クラス内でディスカッションすることも容易だ。

 ClassPad.netはOSを問わず、ブラウザ上で動作する。GIGAスクール端末であれば、どの端末でもOKという汎用(はんよう)性の高さも魅力的だ。これまでは高校向けに先行展開していたが、現在は小中学校向けにも展開しているという。

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