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60%でいくかTKLでいくか──それが問題なSteelSeries「Apex PRO TKL2023」と「Apex 9 Mini」を試す(1/3 ページ)

» 2023年06月12日 12時00分 公開
[今藤弘一ITmedia]
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 ゲーミングキーボードはフルサイズでないとアカンという人もいれば、いやいやテンキーはいらん、いや矢印キーもいらん、という人も増え、機能がそぎ落とされた結果、テンキーレス(TKL)や60%キーボードが人気となっているのは皆さんご存じの通りだ。

 筆者もかつては“テンキーがないと”派だったが、ゲームをプレイするにつれて、プレイの際に傾けたりして使うため、大きいサイズのフルキーボードは使わなくなり、テンキーレスモデルや60%キーボードを利用している。

 今回紹介するSteelSeriesの「Apex PRO TKL 2023」(以降、Apex PRO TKL)、「Apex 9 Mini」は前者がテンキーレスモデル、後者が60%キーボードだ。原稿執筆時のAmazon.co.jpでの価格はApex PRO TKLが3万1113円(以下、税込)、Apex 9 Miniが2万1473円。両方の日本語キーボードを試用する機会を得たので、使い心地を紹介する。

Apex PRO TKL Apex 9 Mini Apex PRO TKL
Apex PRO TKL Apex 9 Mini Apex 9 Mini

アクチュエーションポイントが変更可能なApex PRO TKL

 Apex PRO TKLはWindowsの他、macOSやUSBポートのあるXbox、プレイステーションに対応する。マグネットで装着するリストレストが付属しているので、別途用意する必要がないのがうれしい。

 本製品はワイヤレスに対応していないので、本体のUSB Type-CポートとPCを付属のケーブルで接続する。ワイヤレスで使える「Apex PRO TKL Wireless 2023」も販売されているが、こちらは英語キーボードのみとなる。

 TKLの名前の通り、フルサイズのキーボードからテンキーがなくなってはいるが、ファンクションキーや矢印キーの他、INS/DEL/PageUp/PageDownといったキーは用意されている。キーボードのサイズは約355.44(幅)×139.26(奥行き)×40.44(高さ)mmと、テンキーがない代わりにかなりコンパクトになる。トッププレートにジェット機と同じアルミ合金を使用して、十分な剛性を担保している。

 本体底面には傾斜をつけるためのチルトレッグが用意されており、実測で約5度/約10度の2段階で調整できる。

Apex PRO TKL Apex 9 Mini Apex PRO TKL本体のみのキーボード面
Apex PRO TKL Apex 9 Mini チルトなしの場合
Apex PRO TKL Apex 9 Mini チルト第1段階
Apex PRO TKL Apex 9 Mini チルト第2段階
Apex PRO TKL Apex 9 Mini 中央のゴムケースにはキーボードキャップリムーバーが入っている

 キースイッチはアナログホール効果磁気センサーを利用した「OmniPoint 2.0スイッチ」と呼ばれるSteelSeries独自のものが採用されており、スピード優先の0.2mmからしっかりとタイプする3.8mmまで、アクチュエーションポイントを0.1mm単位で変更できる。

 アクチュエーションポイントは、Escやファンクションキーなどを除く、文字入力に利用するキーに同じ数値を設定できる他、個別のキー、例えばWASDキーだけ浅めにするといったことも可能だ。数値の設定はSteelSeries公式サイトからダウンロードできるコントロールソフト「SteelSeries GG」から、またはキーボード本体からも設定(後ほど解説)できる。

 デフォルトで設定されているアクチュエーションポイントは1.8mm程度で銀軸に近いライトな感じのキータッチ。最低値である0.2mmのスピード優先設定で使う場合はかなり反応がよくなる。FPSなどのわずかな差で優劣が決まる場合などに、この感触で入力できるのはとてもよい。

 ストロークの設定で、キータッチの重さはかなり変わる。最大の3.8mmに設定するとさすがに重く、黒軸よりも重くなる印象だ。テキスト入力用途で重めに設定する場合でも、最大2.5mm程度にしておいた方がよいだろう。

 いずれにしても物理的なキースイッチを変更することなく、さまざまな感触で利用できるOmniPoint 2.0スイッチはとても便利だ。設定変更によってキースイッチのバネなどの重さが実際に変わるわけではないのだが、反応する位置によってその印象がかなり変わるのが面白い。

 この他、アクチュエーションポイントを2段階に設定する「Dual Actuation」という機能もある。同機能と、1つのキーに対して2つ目の機能を割り当てられる「Dual Bindings」を合わせて利用すると、キーを押し込んだ場合に別の機能を割り当てられるようになる。

 これを利用するとフィールドを普通に歩く際には浅めに押してゆっくりと、速く移動したい場合は押し込んで移動するといったことが可能だ。例えば「Fortnite」であれば、ダッシュキーを任意のキーに割り当て、それをさらにWキーのDual Bindingsで設定しておけば、Wキーを押し込んだときにはダッシュが効くようになる。ただしキーを途中で押したままキープするというのがなかなか難しく、最後まで押し切っての移動となってしまうのが残念なところだろうか。

Apex PRO TKL Apex 9 Mini キーキャップを外したところ
Apex PRO TKL Apex 9 Mini SteelSeries GGの画面。「アクチュエーション」の項目でアクチュエーションポイントを変更できる
Apex PRO TKL Apex 9 Mini Dual Actationで2段階にアクチュエーションポイントを設定できる
Apex PRO TKL Apex 9 Mini 1つのキーに2つの機能を割り当てるDual Bindings

 なおSteelSeries GGでは他に、Apex PRO TKLのRGBライティングを変更できる。「Engine」の項目にある「Prism」で、デフォルトで用意されているエフェクトの他、好みの色を選んで「ColorShift」「ブリーズ」「単色」などの色合いで表示可能だ。

 この他にもキー割り当てを変更する「キーバインド」、メディアプレーヤーのコントロールなどを割り当てる「メタバインド」という項目が用意されている。

Apex PRO TKL Apex 9 Mini Engineの「Prism」でライティングをコントロールできる
Apex PRO TKL Apex 9 Mini キーの割り当てを変更する「キーバインド」
Apex PRO TKL Apex 9 Mini 特定の機能を割り当てる「メタバインド」

 続いて、本機が備える「有機ELスマートディスプレイ」を見ていこう。

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