キーボードはいわゆるキックスタンド式で、角度は自由に可変できる。キーボードと画面の間の角度をがっちりと固定できるわけではなく、ノートPCのように膝の上に乗せて使うのには向かない。従来のFire HD 10用のキーボードに唯一劣る点で、デスクの上での利用が前提になると考えた方がよい。
本体との通信はポゴピン経由で行われるためBluetoothなどでのペアリングは不要で、物理的に吸着させるだけですぐに利用でき、充電などの必要もない。iPadの「Smart Keyboard」や日本マイクロソフトの2in1 PC「Surface」シリーズなどに似た仕組みで、キー入力の遅延もない。
このタイプのキーボードは、キーボードとタブレットの付け根にあたる部分が若干持ち上がる製品も少なくないが、本製品のキーボードは全面がデスクに触れる構造になっている。キーボードに角度がないと打ちにくい人は、若干気になるかもしれない。
次に、キーボード本体の仕様と使い勝手について見ていこう。
キーボードは日本語配列で、直感的に利用できる。Windows PCでいうとWindowsキーがある位置に「メール」キーが配置されているのは少々ギョッとするが、キーピッチも約17.5mmと、この手の製品としては健闘しており、タイプ感も良好だ。ちなみに、バックライトは用意されていない。
キーの幅については、Enterキーの左側にあるカギカッコ類のキーは幅がやや狭いが、全体的にそれほど違和感はない。これらの幅を他のキーと同じにすることにこだわって、全てのキーピッチが狭くなったり、ShiftキーやCapsLockキーが詰められたりするよりはよほどマシだ。ちなみに最上段はファンクションキー列ではなく、マルチメディア関連のキーが配置されている。
若干気になるのはトラックパッドだ。本製品のトラックパッドは、マウスでいうところの左右ボタンが一体化した構造で、それ自体は特に珍しくはないのだが、奥行きがないせいか、左クリックの瞬間にポインターが動いてしまいがちだ。
また反応も敏感で、タイプ中にうっかり手が触れてカーソルがどこかに飛んでしまったり、意図しない候補で変換を確定させてしまったりする現象が頻発する。
これらの対策としては、テキストの入力中は「Fn」+「Tab」キーを押してトラックパッドを無効化してしまう方法がある。その間のポインターの移動は画面タップで代替するか、もしくはBluetoothマウスなどを用意して使うとよい。個人的には、次期モデルがあるならば、このトラックパッドの品質にはもう少々こだわってほしいと思う。
続いて、Fire Max 11でテキスト入力を行ってみよう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.