では実際に使ってみよう。デバイスとの接続は、USB Type-CもしくはHDMIで行う。USB Type-Cポートは2基あるが機能的には違いはなく、同時に2つのデバイスと接続しておき、側面ボタンで入力元を切り替えるといった使い方ができる。
接続してまず驚かされるのは、画面が非常に明るいことだ。USB Type-C接続時は画面の明るさは20%に制限されるようなのだが、それでも十分に明るく、ポテンシャルの高さを感じる。
また、極端に斜め方向から見ても画面が暗くならないのも特筆モノだ。広い視野角をうたっていても、実際には斜め方向からはかなり暗く見える製品が目立つ中では突出している。
ベゼル幅も狭く、10.5型というコンパクトさを実感できる。画面サイズがコンパクトな製品の多くはベゼル幅が広く、結果的にボディーサイズはあまりコンパクトでない場合も多いので、本製品の設計は際立っている。
その一方で、モバイルディスプレイとして突出した機能があるわけではない。例えば2基のUSB Type-Cポートを備えたモバイルディスプレイでは搭載例が増えつつあるパススルー充電に、本製品は対応しない。
また付属カバーが横方向の利用のみを想定している関係で、縦向きでの利用も基本的に想定されていない。もちろん立てて使うことは可能なのだが、シームレスに縦横が切り替えられるわけではなく、VESAマウントなども用意されていない。
OSDメニューについては、本体の右側面に配置されたジョグダイヤルとスイッチを使って操作する。スイッチは「戻る」の操作の他、メインメニューを表示していない状態では利用中のポートの確認と切り替えが行える。
ジョグダイヤルを上に倒すと明るさ調整が、下に倒すと音量調整が、それぞれメインメニューを表示しなくても実行できる。
メインメニューはジョグダイヤルを垂直に押し込んで表示させた後、上下にジョグダイヤルを倒して項目間を移動する仕組みだが、本製品の中で唯一欠点と言えるのが、このジョグダイヤルが硬く押しづらいことだ。そのせいでジョグダイヤルを垂直に押し込もうとすると、もう一方の手で本体をしっかりと押さえなくてはならない。次期モデルで優先的に改善すべき点があるとすればここだろう。
ちなみに、OSDメニューは日本語表示に対応しているものの、細部まで全て翻訳されているわけではなく、随所に英語がそのまま残っている。またカテゴリーを示すアイコンも何を意図しているのか分かりにくいので、実際に使う上では慣れが必要になる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.