アイティプロテックの「LCD11HCR-IPS」は、11.6型のモバイルディスプレイだ。現行のモバイルディスプレイは、13.3型と15.6型がほとんどを占めているが、本製品はそういった中では珍しい、11.6型というコンパクトなサイズが特徴となる。
また、前回紹介した15.6型の「LCD15HCR-IPS」と同様、VGA接続(アナログRGB/D-Sub 15ピン)に対応するのもポイントだ。メーカーから実機を借用したので、レビューをお届けする。
まずは基本的な仕様をざっと見ていこう。画面サイズは11.6型で、モバイルPCと組み合わせて持ち歩くには適したサイズだ。画面解像度は1920×1080ピクセルと、サイズは小さくとも表示性能は十分にある。
IPS方式の液晶を採用しており、画面はノングレア(非光沢)。視野角は水平/垂直ともに170度で、リフレッシュレートは60Hz、輝度は220ニト、コントラスト比は1000:1となっている。タッチ操作には対応せず、背面に2基のスピーカー(2W×2)を内蔵する。
接続方法はHDMIとUSB Type-Cに加えて、VGAにも対応する。本体にVGAポートが用意されているわけではなく、付属のケーブルを用いてmicroBで接続する仕組みだ。詳しくは後述する。
スタンドとしても使えるカバーが付属し、持ち歩く時には画面を保護する役割を果たす。モバイルディスプレイではよく見られる構造だが、本製品はマグネットで吸着するのではなく、ネジで留める構造になっている。うっかり外れにくいのは利点だが、このネジは出っ張りが発生するため、バッグの中で他の荷物を傷つけないように気をつける必要がある。
本製品には、このカバー兼用スタンドに加えて、背面のVESAマウントに取り付けて使う、金属製の据え置きスタンドが付属する。モバイルディスプレイでこれだけしっかりしたスタンドが付属する製品はまれで、同社製品の売りの1つだが、ボディーがコンパクトなこの11.6型モデルには、ややアンバランスな印象もある。後ほど詳しく見ていく。
付属品は、前述の3通りの接続方法に対応したケーブルに加え、カバー兼用スタンド、デスクトップ用スタンド、さらに電力不足時に使用するACアダプターまでが付属する。前回紹介したLCD15HCR-IPSもそうだったが、かなりの充実ぶりだ。
モバイルディスプレイ本体の重量は、公称値で約445gだ。15.6型に比べると劇的に軽いが、最近は13.3型で300g台のモデルが登場しているため、圧倒的というほどではない。カバー兼用のスタンドを装着すると実測で638gとなるので、持ち歩きを考慮するのならば、こちらの重さを基準に検討した方がよいだろう。
ユニークな特徴としては、本体の背面にVESAマウントの穴が開いていることが挙げられる。付属のデスクトップ用スタンドを取り付けるためのものだが、汎用(はんよう)規格なのでアイデア次第でさまざまな使い方ができる。ただし一般的な100mmではなく75mm仕様なので注意しよう。
続いて、モバイルPCに接続してみよう。
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