付属のデスクトップ用スタンドについて見ていこう。前回紹介した15.6型モデルに付属するものと全く同じで、金属製のがっしりとした構造だ。本体とは、背面の75mmVESAマウントを使ってネジ留めをする。
高さ調整のギミックはなく、ネジ留めしたアームの付け根、および台座部分の2カ所を可動させることで、設置面スレスレまで画面を下げることが可能だ。ただしこの場合、かなりの奥行きを取ることになるので、実用性は高くない。単に「できる」というだけだ。
こういったスタンドが付属するモバイルディスプレイは数少なく、本製品の売りの1つなのだが、とはいえ11.6型というモバイル前提のサイズゆえ、据え置きで使うニーズはそう多くはないだろう。あったとしても、外出先に持ち出さない時だけデスク上で使うというサブの役割でしかない。またサイズ的にもややアンバランスな印象は否めない。
何より、どちらのスタイルで使う場合もネジ留めが必要な本製品では、シームレスな運用が期待できないのがネックだ。以前紹介したバータイプの14型モデル「LCD14HCR-IPSW」付属のスタンドが採用していたシューによる着脱ギミックのように、モバイルユースと据え置きユースをシームレスに使い分けられるギミックがあれば、なお便利になるだろう。
以上のように、本製品は11.6型というコンパクトな画面サイズが特徴で、さらにVGA接続への対応や、据え置き型スタンドの付属など、他の製品にあまりない特徴を複数兼ね備えている。普通にモバイル用途で、外出先に持ち出してUSB Type-C接続で使いたいだけのユーザーには縁がない場合もあるかもしれないが、それだけに“つぶしが利く”製品だ。
実売価格は税込み2万2800円前後と、13.3型クラスの製品とほぼ横並びだが、現在はこの10〜12型という選択肢自体がなくなりつつあり、その中でUSB Type-Cにも対応した製品は、希少価値がある。響く人には間違いなく響く製品というのが、本製品の評価ということになりそうだ。
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