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» 2023年07月28日 12時00分 公開

「XREAL Air+Beam」は仕事に役立つか? “今すぐ買えるARグラス”でモバイルオフィスを実現「目指せ↑ワンランク上の仕事術」デジモノ探訪記(1/4 ページ)

企業や組織のIT部門を支援してきた石黒直樹氏が、実際に使っていて仕事に役立つと思ったものや、これから登場する新製品、新サービスをいち早く試してレビューする連載。

[石黒直樹ITmedia]

 PCディスプレイの次のカタチ──個人的に一番期待しているのが、“ARグラス"と呼ばれるカテゴリーの製品です。先日発表されたAppleの「Vision Pro」も、ハードウェアとしてはVRゴーグルの形態ですが、提供したい価値はARだと感じました。

 Vision Proの登場はまだ先ですが、既に市場にはARグラスの製品がいくつも登場しています。その中でも、日本で身近な存在といえば、日本Xreal(旧日本Nreal)の「XREAL Air」(旧Nreal Air)ではないでしょうか。

 XREAL Airはメガネ型のヘッドマウントディスプレイ(HMD)です。目の前に現れる仮想の大画面ディスプレイを通じて、接続したデバイスのコンテンツを楽しめます。

photo XREAL Airを一式格納できる付属のケース

 私は専用の度付きレンズも購入して装着済みの“本気"ユーザーで、仕事で活用することを想定して購入しました。本記事では、エンターテインメントとしての利用ではなく、仕事に活用できるかの視点でお届けします。

 ちなみにXREAL Airの機能を拡張する周辺機器の新製品「XREAL Beam」も7月25日に発売しています。こちらも実機を借りて触れているので、あわせて仕事における実用度を試してみました。実はXREAL Air単体ではイマイチだと感じていた部分が、XREAL Beamで化けます。

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著者:石黒直樹(いしぐろ なおき)

ITコンサルを手掛ける(株)グロリア代表取締役。15年勤めた前職の野村総合研究所では、高い品質が求められる金融系システムを担当。大規模プロジェクト、開発、保守、運用など、情報システムに関するさまざまな経験の他、マネジメントや要件定義、システム設計、プログラミングといった知識も持つ。現職では大企業、中小企業、個人事業主と規模を問わず、自身のノウハウ全てを使って企業や組織のITを支援している。大のガジェット好きで、常に仕事にうまく生かせないものかと考えてしまう癖がある。モットーは「神は細部に宿る」。2児の父。主な著書に『情シスの定石』(技術評論社)。連載:「目指せ↑ワンランク上の仕事術」デジモノ探訪記


モバイルディスプレイとしての活用を意図して購入

 XREAL Airを仕事で使うにあたり、筆者はモバイルディスプレイとしての活用をもくろんでいました。なぜXREAL Airを選んだのか。それは圧倒的な軽さです。ボディー自体は約79gと、よくあるVRゴーグルとは比較にならない軽さです。加えて、USB-Cケーブル1本でPCと接続ができるという手軽さもあります。例えば、私が使っている14型のモバイルディスプレイは約520gあります。XREAL Airが同じ役割を果たしてくれるのであれば、持ち運びするときの重量差は圧倒的になります。

photo iPhone 14 Pro Maxとのサイズ比較。モバイルディスプレイとは比べものにならないくらいコンパクトです

 XREAL Airをモバイルディスプレイとして使えると、「画面が空間に浮かぶので、スペースの狭いカフェなどでも広い作業領域を確保できる」「自分自身にしか表示内容が見えないので、業務上の機密情報をのぞき見される心配がない」といったメリットが生まれます。情報漏えいが命取りになるビジネスにおいては、非常に有効な手段だと感じます。

表示は非常にキレイ ただし改善してほしいところも

 実際にXREAL Airを通して目の前に表示できる映像は非常にキレイです。私はVRヘッドセットの代表格である「Meta Quest 2」も使っていますが、XREAL Airの方が表示品質は上だと感じます。Meta Quest 2も十分きれいではありますが、視野全てが映像であるが故に、どうしてもPPD(Picture per Degree:視野角1度あたりのピクセル数)が下がり、画面の粗が見えてしまいます。

 ARグラスの場合、視野に対して特定の範囲のみが表示領域となるため、精細な表示をする上では有利です。Meta Quest 2はPPDが約20ピクセルであるのに対し、XREAL Airは約49ピクセルです。その差は間違いなく実感できます。

 そして、本題であるモバイルディスプレイとしての使用感です。率直に言うと、購入当初は期待通りの動きが出来ませんでした。

 期待していたのは、PCの拡張ディスプレイとしての利用です。USB-Cケーブル1本を接続するだけで、WindowsでもMacともに外部ディスプレイとして認識されます。これは非常に手軽で、設定も簡単です。

 しかし、目の前に表示される画面の位置が、常に視界の中心に固定されてしまいます。頭を動かしても、常に目の前に表示されます。つまり、ノートPC側のメイン画面を見ると、拡張ディスプレイの画面と重なってしまうのです。

 拡張ディスプレイとして2画面を使うといった用途では実用できません。

photo 赤枠部分に拡張ディスプレイが表示されています
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