ソースネクストの小嶋社長は、今回POMを発売する背景に「≪少子高齢化が進んでいること」を挙げる。
高齢社会白書では、日本では2025年に75歳以上の「後期高齢者」が2200万人以上となると予測している。その一方で少子化も進み、介護職員の不足などを要因とした「介護難民」が増えるとの予想もある。
高齢期の暮らし方について、今後は「自宅での生活」を選ぶ人が増えるとの予測もある。そのことを受けて、厚生労働省では高齢者が地域(≒自宅やその周辺)で生涯過ごせるよう、地域内で包括的なケアを提供する「地域包括ケアシステム」の普及を推進している。
そのことに伴い、民間企業が手がける高齢者向けの「見守りサービス」への関心も高まっているという。
ソースネクストが実施したWebアンケート調査によると、自宅で1人暮らしをする65歳以上の親を持つ人の83.7%が高齢者見守りサービスに「興味がある」もしくは「現在または過去に契約経験がある」と回答しており、同社は「在宅高齢者を見守るニーズが増している」と分析する。
見守りサービスと組み合わせて使う「見守りデバイス」にはカメラ型、センサー型、通報ボタン型など、さまざまなタイプが存在する。小嶋社長は、従来の見守りデバイスが抱えるデメリットを以下のように説明する。
POMは、上記のようなデメリットを解決すべく生まれたのだという。
実は、POMが使っている技術には既に実績がある。POMを開発したTellus You Careには、先述の通り日本法人がある。その日本法人を通して、この3年間に介護施設やホテルなど、複数の事業者にPOMと同じ技術を使ったB2Bの見守りデバイス/サービスが提供されているのだ。
例えば三井ガーデンホテル柏の葉パークサイド(千葉県柏市)には、隣接する国立がん研究センターのがん患者をサポートするために、客室にTellus You Careの見守りデバイスが設置されているという。
まずMakuakeを通して販売されるPOMだが、ソースネクストでは今後、他の企業や自治体と連携して販路を広げていくという。同社とTellus You Careの強みやノウハウを生かして、新機能の開発などを通したサービスの改善も進めていく。
カメラやウェアラブルを使わずに高齢者をモニタリングできるPOMだが、モニタリングできる人数が増えることに期待したい。
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