サードウェーブは9月19日、同社製PCのブランディングを変更する旨を発表した。同社が掲げる中期経営計画を踏まえた取り組みの一環で、同社PCのブランド認知向上とユーザー層の拡大を狙う。
【更新:17時45分】ブランディング変更に関する詳細を追記しました
現在、同社は現在、「GALLERIA(ガレリア)」「raytrek(レイトレック)」「THIRDWAVE(サードウェーブ)」の3ブランドでPCを販売しているが、各ブランドは維持しつつ、位置付けを以下のように変更する。サブブランドについても、本方針に基づいて整理される見通しだ。
昨今はゲームのプレイそのものだけでなく、ゲーム実況を含む動画の生配信(ストリーミング)や編集、プライベートで撮影した写真の現像と加工、お絵描き……など、「多目的に使うハイスペックPC」としてゲーミングPCを購入するケースも増えているという。
このような背景を踏まえて、GALLERIAブランドはより幅広い個人ユーザーをターゲットとするハイエンドブランドとして一新する。現在本ブランドで展開されているゲーミングPCは引き続きラインアップの拡充を進める他、raytrecブランドで展開している個人クリエイター向けPCも、今後は順次本ブランドに移行されるという。
井田晶也副社長によると、ブランドの位置付け変更に伴い、2024年には「(デザイン面や機能面で)生まれ変わったGALLERIA」が登場する予定だという。場合によっては「シニアゲーマー向けモデル」などの展開もあり得るそうだ。
raytrecブランドについては、個人クリエイター向けモデルを順次GALLERIAブランドに移管した上で、THIRDWAVE Proブランドで用意されているワークステーションPCを統合し、「プロフェッショナルの創造性を最大限引き出す」ビジネス向けブランドとして再編される。製品サポートを含むサービス面も、法人/プロフェッショナル向けに最適なものを提供していくという。
現在の同ブランドのPCでは、「写真家」「DTP(デスクトップパブリッシング)」「イラストレーター」「動画(映像)制作」に特化したモデルが用意されているが、今後は「CAD」「AI(人工知能)開発」「各種シミュレーション」「AR/VR」といったワークステーションPCが担ってきた分野もカバーすることになる。このことに伴い、フォームファクターのラインアップも拡充されることになる。
THIRDWAVEブランドは、ビジネス向けとコンシューマー向けの両方をカバーするメインストリームブランドに改められる。「幅広いユーザーが利用できるPC」をメインに据えつつ、「若年層に特化したモデル」「PC初心者に最適なモデル」にも注力していくという。
サードウェーブは、1984年3月に創業された。単純計算すると2024年3月で創立40周年を迎えるのだが、同社の決算期は「7月」に設定されているため、2023年7月をもって「第40期」を終えたことになる。
創業40周年を前にした同社は、本社移転、生産/物流拠点の拡大、積極的な店舗(ドスパラ)の新規開設、新たな技術開発など、第40期に積極的な投資を行ってきた。一方で、同期の売上高は微増にとどまっている。
同社では、2023年度(2023年8月〜2024年7月)からの3年間に渡る「中期経営計画」を策定した。この計画では、2025年度の売上高を1000億円超とすることとなっており、重点的な取り組み事項として以下の5項目を掲げている(プレゼンテーションシートから“ママ”の表記としている)。
今回の製品ブランドの見直しは、この計画を達成するための取り組みの一環となる。メインの製品ブランドを整理しつつ、そのポートフォリオを拡大することで、同社PCの認知度向上とユーザー層の拡大を図る。
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