プロナビ

サードウェーブがPCのブランディング方針を変更 ユーザー認知の向上を目指す

» 2023年09月19日 16時00分 公開
[井上翔ITmedia]

 サードウェーブは9月19日、同社製PCのブランディングを変更する旨を発表した。同社が掲げる中期経営計画を踏まえた取り組みの一環で、同社PCのブランド認知向上とユーザー層の拡大を狙う。

【更新:17時45分】ブランディング変更に関する詳細を追記しました

リブランディング サードウェーブがPCブランドの位置付けを変更する
井田副社長 ブランディング変更の位置付け変更について説明する、サードウェーブの井田晶也副社長

ブランド変更の概要

 現在、同社は現在、「GALLERIA(ガレリア)」「raytrek(レイトレック)」「THIRDWAVE(サードウェーブ)」の3ブランドでPCを販売しているが、各ブランドは維持しつつ、位置付けを以下のように変更する。サブブランドについても、本方針に基づいて整理される見通しだ。

  • GALLERIA:ゲーマー向け(ゲーミング)→コンシューマー向けハイエンド
  • raytrek:クリエイター向け→ビジネス向けハイエンド
  • THIRDWAVE:ビジネス向け→ビジネス/コンシューマー向けメインストリーム

GALLERIA:カジュアルゲーマーだけでなくプライベートクリエイターもターゲットに

 昨今はゲームのプレイそのものだけでなく、ゲーム実況を含む動画の生配信(ストリーミング)や編集、プライベートで撮影した写真の現像と加工、お絵描き……など、「多目的に使うハイスペックPC」としてゲーミングPCを購入するケースも増えているという。

 このような背景を踏まえて、GALLERIAブランドはより幅広い個人ユーザーをターゲットとするハイエンドブランドとして一新する。現在本ブランドで展開されているゲーミングPCは引き続きラインアップの拡充を進める他、raytrecブランドで展開している個人クリエイター向けPCも、今後は順次本ブランドに移行されるという。

 井田晶也副社長によると、ブランドの位置付け変更に伴い、2024年には「(デザイン面や機能面で)生まれ変わったGALLERIA」が登場する予定だという。場合によっては「シニアゲーマー向けモデル」などの展開もあり得るそうだ。

GALLERIA GALLERIAは、コンシューマー向けハイエンドモデルのブランドとなる
デスクトップモデルノートモデル raytrecブランドのコンシューマー向けラインを統合することに伴い、GALLERIAブランドのデスクトップモデル(左)とノートモデル(右)は今後、デザインや機能面での変更(強化)が予定されている

raytrek:プロクリエイターとハイスペックを求めるビジネスユーザーのためのブランドに

 raytrecブランドについては、個人クリエイター向けモデルを順次GALLERIAブランドに移管した上で、THIRDWAVE Proブランドで用意されているワークステーションPCを統合し、「プロフェッショナルの創造性を最大限引き出す」ビジネス向けブランドとして再編される。製品サポートを含むサービス面も、法人/プロフェッショナル向けに最適なものを提供していくという。

 現在の同ブランドのPCでは、「写真家」「DTP(デスクトップパブリッシング)」「イラストレーター」「動画(映像)制作」に特化したモデルが用意されているが、今後は「CAD」「AI(人工知能)開発」「各種シミュレーション」「AR/VR」といったワークステーションPCが担ってきた分野もカバーすることになる。このことに伴い、フォームファクターのラインアップも拡充されることになる。

raytrek raytrekは、プロクリエイターを含むビジネス向けハイエンドモデルのブランドとなる
参考出展 現在はTHIRDWAVE Proブランドで展開されているフルタワーワークステーション(左)やビジネス向けハイエンドスリムタワーPC(右)も、順次raytrecブランドに移行される(いずれも参考出品)

THIRDWAVE:コンシューマー向けメインストリームモデルも内包

 THIRDWAVEブランドは、ビジネス向けとコンシューマー向けの両方をカバーするメインストリームブランドに改められる。「幅広いユーザーが利用できるPC」をメインに据えつつ、「若年層に特化したモデル」「PC初心者に最適なモデル」にも注力していくという。

THIRDWAVE 自社名を冠するTHIRDWAVEブランドは、メインストリーム製品全般をカバーする
メインストリーム 持ち運びやすいモバイルノートPCは、THIRDWAVEブランドの下で展開していくようだ(参考出品)

創業40周年を迎えるサードウェーブ 新ブランド方針でさらなる成長を

 サードウェーブは、1984年3月に創業された。単純計算すると2024年3月で創立40周年を迎えるのだが、同社の決算期は「7月」に設定されているため、2023年7月をもって「第40期」を終えたことになる。

 創業40周年を前にした同社は、本社移転、生産/物流拠点の拡大、積極的な店舗(ドスパラ)の新規開設、新たな技術開発など、第40期に積極的な投資を行ってきた。一方で、同期の売上高は微増にとどまっている。

 同社では、2023年度(2023年8月〜2024年7月)からの3年間に渡る「中期経営計画」を策定した。この計画では、2025年度の売上高を1000億円超とすることとなっており、重点的な取り組み事項として以下の5項目を掲げている(プレゼンテーションシートから“ママ”の表記としている)。

  • ゲーミングPCユーザー層の拡張
  • クリエイター・デザイナーPC の成長
  • 法人市場の更なる開拓
  • 文教市場におけるハイエンドPC の訴求
  • 継続的な店舗展開と様々な製品訴求

 今回の製品ブランドの見直しは、この計画を達成するための取り組みの一環となる。メインの製品ブランドを整理しつつ、そのポートフォリオを拡大することで、同社PCの認知度向上とユーザー層の拡大を図る。

売上高 同社の2023年7月期の売上高は、前期から微増となった
投資 2023年7月期は、今後の成長に向けた戦略的投資も積極的に行ってきたという
中計 2024年7月期からの3年間の中期経営計画の概要
中計 中期経営計画における重点的な取り組みは5つある。今回のリブランディングは、これらを実現するための取り組みの1つである

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2025年02月18日 更新
  1. 新規出荷PCは第11世代Coreプロセッサ以降が対象に――Microsoftが「Windows 11 2024 Update」のCPU要件を公開 既存PCには影響なし (2025年02月17日)
  2. 「Windows 11 2024 Update(バージョン24H2)」の既知の不具合まとめ【2025年2月14日現在】 (2025年02月14日)
  3. 2枚挿し時代ゆえの大人気――1枚64GBのDDR5メモリが話題に (2025年02月17日)
  4. ショップの棚が一部でがら空き GeForce RTX 4060 Ti以上が払底の異常 (2025年02月15日)
  5. 25.3型のカラーE Inkディスプレイ「DASUNG253C REVO」を試す 超高速リフレッシュレートで動画再生もこなせるが気になる部分も (2025年02月17日)
  6. “熱い、重い”というイメージを覆す、スタイリッシュなゲーミングノートPCが増えている GeForce RTX 4070 Laptop搭載の「OMEN Transcend 14」をチェック (2025年02月14日)
  7. 「Windows 11 2024 Update(バージョン24H2)」の既知の不具合まとめ【2025年1月14日現在】 (2025年01月14日)
  8. サム・アルトマンCEOが「GPT-4.5」と「GPT-5」のロードマップを明らかに/AMD製CPUに脆弱性 (2025年02月16日)
  9. Apple 表参道で辻井伸行さんが語る「Appleとの出会いとテクノロジーの活用」 (2025年02月18日)
  10. 「外付けドライブ・ストレージ」の売れ筋ランキング 確定申告の時期ならではの商品もあり【2025年2月17日版】 (2025年02月17日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2025年