ポータブルゲーミングPC「ROG Ally」の“お手頃モデル”はお買い得? 上位モデルと比較してみた(2/3 ページ)

» 2023年09月21日 12時00分 公開
[でこいITmedia]

上位モデルとの比較

 新たに登場した下位モデルが搭載する「Ryzen Z1」は、CPUコアがZen 4 アーキテクチャベースの6コア12スレッド(3.2GHz〜4.9GHz)、GPUコアがRDNA 3ベースの4コア構成で、GPUコアのピーク演算性能は2.8TFLOPSとなっている。

photo 上が上位モデル(RC71L-Z1E512)、下が下位モデル(RC71L-Z1512)。外観だけでは区別がつかない

 一方、上位モデルが搭載する「Ryzen 1 Extreme」は、CPUコアがZen 4 アーキテクチャベースの8コア16スレッド(3.3GHz〜5.1GHz)、GPUコアがRDNA 3ベースの12コア構成で、GPUコアのピーク演算性能は8.6TFLOPSだ。Z1とZ1 Extremeでは、CPUももちろんだが、よりGPUの性能差が大きいことが分かる。

 なお、上位モデルと下位モデルの差はこのCPU(APU)とGPU、そして性能差による価格だけで、筐体デザインやディスプレイ、メモリ、ストレージ、インタフェースなどは同じである。

photo CPU-Zで取得したRyzen Z1の情報
photo CPU-Zで取得したRyzen 1 Extremeの情報
photo GPU-Zで取得したRyzen 1のGPU情報
photo GPU-Zで取得したRyzen 1 ExtremeのGPU情報

 それでは実際のパフォーマンスでどれだけ差がでるのかをチェックしていこう。今回のテストでは、ROG AllyはACアダプターに接続し、Armoury Crateのオペレーティングモードを「Turbo(ターボ)」に設定した状態で計測を行っている。

CINEBENCH R23

 まずは3Dレンダリングを用いてCPUのパフォーマンスをチェックする「CINEBENCH R23」を実行した。結果は以下の通りとなる。

Z1 Z1 Extreme
マルチコア 8621ポイント 1万4372ポイント
シングルコア 1644ポイント(MPレシオ:5.24倍) 1773ポイント(MPレシオ:8.11倍)

 コア/スレッド数が違うため当然かもしれないが、Z1はマルチコアのスコアが振るわない。Z1 Extremeと比べると約1.7倍の差が出ているが、6コア12スレッドしかないため仕方ない結果だ。

 一方、シングルコアのスコアは最大クロックの差となるため差は少ない。Z1の最大クロックは4.9GHzで、Z1 Extremeの5.1GHzと0.2GHzの差しかない。

photo CINEBENCH R23の結果

3DMark

 次に、3Dグラフィックスのパフォーマンスをチェックする「3DMark」で幾つかのテストを実行してみた。ここでは、オペレーティングモードをTurboにした状態でバッテリー駆動して計測した結果も併載する。

Z1(AC駆動) Z1(バッテリー駆動) Z1 Extreme(AC駆動) Z1 Extreme(バッテリー駆動)
Night Raid(DirectX 12ベース/1920×1080ピクセル描画) 1万9456ポイント 1万7852ポイント 2万6946ポイント 2万6122ポイント
Fire Strike(DirectX 11ベース/1920×1080ピクセル描画) 4552ポイント 3975ポイント 7705ポイント 7049ポイント
Fire Strike Extreme(DirectX 11ベース/2560×1440ピクセル描画) 2266ポイント 2141ポイント 3698ポイント 3612ポイント
Fire Strike Ultra(DirectX 11ベース/3840×2160ピクセル描画) 1178ポイント 1146ポイント 2048ポイント 2010ポイント
Time Spy(DirectX 12ベース/2560×1440ピクセル描画) 1807ポイント 1770ポイント 3046ポイント 3010ポイント
Time Spy Extreme(DirectX 12ベース/3840×2160ピクセル描画) 824ポイント 813ポイント 1439ポイント 1410ポイント
Port Royal(リアルタイムレイトレーシングテスト) 683ポイント 662ポイント 1315ポイント 1215ポイント

 どちらもACアダプターを接続した状態だとバッテリー駆動よりも約1.01〜1.15倍ほど向上する。Z1とZ1 Extremeを比較すると約1.38〜1.93倍の差があり、重量環境を想定したテストになるほどスコアの差が大きくなることが分かる。

 とはいえ軽量環境を想定した「Night Raid」ではバッテリー駆動でも1万7000ポイントを超えており、HD解像度やタイトルによってはフルHD環境でも快適にゲームプレイできそうだ。

photo 3DMarkの結果

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