新たに登場した下位モデルが搭載する「Ryzen Z1」は、CPUコアがZen 4 アーキテクチャベースの6コア12スレッド(3.2GHz〜4.9GHz)、GPUコアがRDNA 3ベースの4コア構成で、GPUコアのピーク演算性能は2.8TFLOPSとなっている。
一方、上位モデルが搭載する「Ryzen 1 Extreme」は、CPUコアがZen 4 アーキテクチャベースの8コア16スレッド(3.3GHz〜5.1GHz)、GPUコアがRDNA 3ベースの12コア構成で、GPUコアのピーク演算性能は8.6TFLOPSだ。Z1とZ1 Extremeでは、CPUももちろんだが、よりGPUの性能差が大きいことが分かる。
なお、上位モデルと下位モデルの差はこのCPU(APU)とGPU、そして性能差による価格だけで、筐体デザインやディスプレイ、メモリ、ストレージ、インタフェースなどは同じである。
それでは実際のパフォーマンスでどれだけ差がでるのかをチェックしていこう。今回のテストでは、ROG AllyはACアダプターに接続し、Armoury Crateのオペレーティングモードを「Turbo(ターボ)」に設定した状態で計測を行っている。
まずは3Dレンダリングを用いてCPUのパフォーマンスをチェックする「CINEBENCH R23」を実行した。結果は以下の通りとなる。
Z1 | Z1 Extreme | |
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マルチコア | 8621ポイント | 1万4372ポイント |
シングルコア | 1644ポイント(MPレシオ:5.24倍) | 1773ポイント(MPレシオ:8.11倍) |
コア/スレッド数が違うため当然かもしれないが、Z1はマルチコアのスコアが振るわない。Z1 Extremeと比べると約1.7倍の差が出ているが、6コア12スレッドしかないため仕方ない結果だ。
一方、シングルコアのスコアは最大クロックの差となるため差は少ない。Z1の最大クロックは4.9GHzで、Z1 Extremeの5.1GHzと0.2GHzの差しかない。
次に、3Dグラフィックスのパフォーマンスをチェックする「3DMark」で幾つかのテストを実行してみた。ここでは、オペレーティングモードをTurboにした状態でバッテリー駆動して計測した結果も併載する。
Z1(AC駆動) | Z1(バッテリー駆動) | Z1 Extreme(AC駆動) | Z1 Extreme(バッテリー駆動) | |
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Night Raid(DirectX 12ベース/1920×1080ピクセル描画) | 1万9456ポイント | 1万7852ポイント | 2万6946ポイント | 2万6122ポイント |
Fire Strike(DirectX 11ベース/1920×1080ピクセル描画) | 4552ポイント | 3975ポイント | 7705ポイント | 7049ポイント |
Fire Strike Extreme(DirectX 11ベース/2560×1440ピクセル描画) | 2266ポイント | 2141ポイント | 3698ポイント | 3612ポイント |
Fire Strike Ultra(DirectX 11ベース/3840×2160ピクセル描画) | 1178ポイント | 1146ポイント | 2048ポイント | 2010ポイント |
Time Spy(DirectX 12ベース/2560×1440ピクセル描画) | 1807ポイント | 1770ポイント | 3046ポイント | 3010ポイント |
Time Spy Extreme(DirectX 12ベース/3840×2160ピクセル描画) | 824ポイント | 813ポイント | 1439ポイント | 1410ポイント |
Port Royal(リアルタイムレイトレーシングテスト) | 683ポイント | 662ポイント | 1315ポイント | 1215ポイント |
どちらもACアダプターを接続した状態だとバッテリー駆動よりも約1.01〜1.15倍ほど向上する。Z1とZ1 Extremeを比較すると約1.38〜1.93倍の差があり、重量環境を想定したテストになるほどスコアの差が大きくなることが分かる。
とはいえ軽量環境を想定した「Night Raid」ではバッテリー駆動でも1万7000ポイントを超えており、HD解像度やタイトルによってはフルHD環境でも快適にゲームプレイできそうだ。
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