4Kで省電力、Type-C対応の27型4K液晶ディスプレイ「FlexScan EV2740X」を試す(2/4 ページ)

» 2023年11月06日 15時15分 公開
[マルオマサトITmedia]

明るく発色の良い4K対応画面

 画面の表示解像度は3840×2160ピクセル(4K UHD)に対応する。IPSパネルを採用しており、視野角は広く、目視の印象も良く、IPSらしいパキッとした発色となっている。表面は映り込みにくいノングレア仕様だ。

 その他のスペックは、最大輝度は350ニト、コントラスト比2000:1、応答速度5ミリ秒、色域はsRGB相当と、ビジネス向けの液晶ディスプレイとして申し分ない内容だ。i1 Display Proでの計測でも352ニトと公称値通りの明るさだった。

photo 画面サイズ27型で表示解像度は3840×2160ピクセルに対応。表面は照明が映り込みにくいノングレア仕様だ。輝度は350ニト、コントラスト2000:1、応答速度5ミリ秒(GTG)でsRGB比相当の色域をサポートする
photo i1 Display Proの計測結果。輝度は352ニトと公称値通りの明るさだった
photo i1 Profilerで作成したICCプロファイルをColor AC(Phonon氏・作)で表示させた。本製品の色域(実線)は、sRGB(点線)を上回る広さがある(面積比114%、sRGBカバー率99.9%)

先代モデルより48%も省電力

 4Kの高精細画面を搭載しながら省電力な点も特徴だ。液晶パネルの設計見直しや新規スケーラー(解像度と表示の調整を行うIC)の導入により、本製品の最大消費電力は186W(USB PD利用時)、標準消費電力(公称値)は16Wになっている。先代のFlexScan EV2785(31W)から約48%も削減されている。

 また、周囲の明るさに応じて最適な明るさに調整する「Auto EcoView」、表示画像に合わせてバックライトの明るさを調整する「EcoView Optimizer 2」と、2種類のインテリジェントな省エネ機能も搭載している。

 実機で消費電力を計測してみたところ、省エネ機能を利用しない状態での輝度最大時が29.6W、輝度80%では18.1W。73%にすると、公称値と同じ16Wになった。十分実用的な明るさだ。

 また、EcoView Optimizer 2(EVO2)についても測定してみた。これを有効にすると、表示する画面によってバックライトを調整するため電力が変動する。

 X(旧Twitter)のカラーをデフォルトからダークブルーやブラックに変更してみると、徐々に消費電力が下がっていく。輝度80%時の場合は、最終的に14W(ブラックの場合)まで下がった。見た目には全くといっていいほど影響がないので、かなり有効な機能だろう。

photo 「Auto EcoView」は、周囲の明るさに応じて最適な明るさに調整する機能だ。「EcoView Optimizer 2」は、表示画像に合わせてバックライトの明るさを調整する機能で、OSDメニューまたは「Screen Instyle」ユーティリティーから設定できる
photo 消費電力の計測結果。EcoView Optimizer 2(EVO2)の省エネ効果が目立つ

最大94W給電に対応したUSB Type-Cを搭載

 映像入力は、3系統入力に対応する。USB Type-C(DisplayPort)の他、DisplayPort、HDMIと現行の主力端子を備える。

 USB Type-Cについては、「映像(音声)入力」の他に、「PCへの給電(USB Power Delivery)」「USBデータ転送(USB 3.2 Gen 2)」の機能も持ち合わせており、それをType-Cケーブル1本で、画面入力と同時に利用できる。

 Power Deliveryの給電能力は、最大94Wだ。少し半端に感じるが、「USB PDの仕様を厳格に守るためマージン等を考慮した結果」という。このあたりはさすがにEIZOらしいこだわりだろう。

 USBハブ機能としては、ダウンストリームポートとして、Type-A(USB 3.2 Gen 1)を3基装備しており、キーボードやマウス、メモリーカードリーダー、Webカメラなどの接続に使える。有線LAN(1000BASE-T対応)も搭載しており、Type-C接続時はこれらの接続もType-Cケーブル1本でまとめて利用できて便利だ。

photo 背面の端子類。左端に見えるのが電源端子と電源スイッチ。中央付近に映像入力用端子があり、右端付近はUSBハブ用端子が並ぶ
photo 背面の端子類。左から、HDMI(2基)、DisplayPort、USB Type-C、有線LAN、USB Type-B(アップストリーム用)、Type-A(2基)
photo 左側面には、ヘッドフォン端子とライン出力のほか、ダウンストリーム用のType-CとType-A(いずれもUSB 3.2 Gen 1)がある
photo Type-Cは、映像入力とデータ転送(USBハブ、有線LAN接続用)、USB PDによるノートPCへの給電(94W)と3つの機能を備えており、すべて同時に利用できる

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2024年05月09日 更新
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