発表会の後、筆者は会場内のタッチアンドトライコーナーで展示機を実際に触る機会を得た。
最初に触ったのは人工ルビーモデルだ。説明にあった通り、薬指用のくぼみに指が吸い付くようで収まりが良い。小指は指先がデスクに触れ、大半は本体の曲面にフィットする。デスクにぺったりとつくサイズのため、無駄な力が入らない。
既存のトラックボールと同じように支持球でボールを支えているため、わずかに摩擦を感じたが、フィット感があるので、これだけでも手首や、ひいては肩への負担も減るだろうと思えた。
次に、ベアリングモデルを触ってみた。手に吸い付くようなフィット感だけでなく、宙を舞うかのような滑らかなボールの動きに、思わず「おおっ」と声が出てしまった。それほどスルスルと回すことができる。
こちらはベアリング。外径が4mmで、さらにその中に摩擦を減らすボールが入っている。想像するだけで目が痛くなりそうだが、ミネベアミツミでは、外径1.5mm(!)のベアリングも製作している。こちらは世界最小の量産可能なスチール製ボールベアリングとしてギネスブックに登録されている滑らかな動きかつボール径も大きいので、「これなら、2画面や3画面のディスプレイを使っている人でもストレスなくマウスカーソルを移動させられるだろう」と感じた。動画編集やスプレッドシート操作などでも使い勝手が良いだろう。
開発担当者によれば、あまりに使い心地が良いため、メンバーの多くが人工ルビーの支持球に戻れなくなったとのことだ。
トラックボールとして珍しい白は、増えつつある白いボディーのPCやキーボードなどに合わせるのに良さそうだ。エレコムとして初めて白のカラバリを出したのは、「在宅ワークなどで女性のトラックボール利用率が増えたこと、PC業界でホワイトモデルが一般的になりつつあること、ユニセックス仕様のニーズの高まりが増えたこと」などが理由だ。
手にフィットし、握ることなく軽い力で操作できるトラックボールISTシリーズ。一度使ったら手放せなくなりそうな同製品は、エレコムの考える「トラックボールの新基準」になるかもしれないと予感させた。
エレコム、大径ボールを備えた操作感重視のトラックボール「IST」
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