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「HHKB Studio」は最強のコンパクトキーボード ただし物理キーの少なさに慣れるかが鍵になる「目指せ↑ワンランク上の仕事術」デジモノ探訪記(2/3 ページ)

» 2023年12月05日 17時05分 公開
[石黒直樹ITmedia]
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「HHKB Studioキーマップ変更ツール」がさらなる快適さを実現

 HHKB Studioの重要な機能の1つとなるのがキーマップ変更ツールです。要するにキーを押した時に働く機能を変更するものです。この機能が非常に優秀で、基本的には全てのキーに対してどのようなキーでも割り当てられます。

photo ソフト自体もシンプルで、配置したいキーをドラック&ドロップすればよいだけです

 HHKBは物理キーの数の少なさから、「あの“よく使うキー”が使いづらい……」といったことが発生しがちですが、マッピングを変えてしまえば解消できます。

 HKKBシリーズはキー配置にもややクセがあると感じます。私はキーボードの左下は「Ctrlキー」として慣れています。HHKBのデフォルト(日本語配列の場合はFnキー)ではなかなか慣れなかったので変更して使いました。

 この場合、キーボードの刻印内容とズレが発生します。その点は気を付ける必要があるでしょう。ただし、HHKB Studioは同じサイズのキーであればキートップを取り外して付け替えることは可能です。また、キートップの3Dデータを2024年3月頃に公開する予定とアナウンスされています。3Dプリンタを使った制作など、さらなるカスタマイズが期待できます。これは面白いですね。

photo キーマップ変更ツールの「HHKB Studio Keymap Tool」を使って、FnキーをCtrlキーとして動作するように変更しました。上部のControlキーはCapsキーとして設定しています。見た目にだまされます

 こうしたキーマッピングツールは探せばいろいろとありますが、HHKBの良い点はハードウェア自身を書き換えてしまうことです。つまり書き換えたキーボードを別のマシンに接続したとしても、その内容が反映された状態なのです。複数端末で使う方にとっては非常に便利です。なお、キーマッピングの設定を変更するには付属のUSBケーブルを使ったUSB有線での接続が必要です。Bluetooth接続では変更できません。

 このキーマップ変更は素晴らしすぎるのですが、実はここは悩ましいところです。私は多くの端末を使います。iPadやAndroidのキーボードも使います。できるだけ統一しようとJIS配列を選んでいますが、細かな点はいろいろと差異があり、ストレスの元になります。

 HHKBに特化しすぎた設定をしてしまうと他のキーボードとのギャップが大きくなり、逆に全体としてストレスになりそうです。できる限り特異な変更は最小限にどどめたいなと思う次第です。上記のように、他のキーボードに合わせたカスタマイズを行うという使い方は良い解決策だと考えています。

ファンクションキーが無いのは許容できそうで、できなかった

 HHKBシリーズで一番懸念していたのはファンクションキーが無い問題です。今回使い始める前はFnキーと数字キーを一緒に押せばいいだけなので「何とかなるだろう……」と思っていました。

 しかし、もともとの慣れもあり地味にストレスを感じました。もっと使いこんでいけば慣れるのかもしれませんが、上述した通り、それに慣れすぎると他のキーボードを使う時に困ってしまいます。これはかなり悩ましく感じました。

 そこで思い付いたのが、本当に必要な最小限のファンクションキーを、あまり使わないキーに割り当ててしまおうという作戦です。

 改めて自分の使い方を振り返ると、文字変換においてファンクションキーを使うことが多いことに気が付きました。特に「F6=平仮名」「F7=全角カタカナ」「F10=英字」としての使い方です。そして、キーボード右下側にある「Kana」「Alt」「Fnキー」を使う事はまず無いことにも気が付きました。つまり、ここにF6、F7、F10を割り当ててしまうのです。

photo 左右両方にあるキーは、基本的には左側しか使っていないことに気が付きました。ちなみに、使用しているREALFORECEにも同様のキーマップ変更機能があるため、今回の気付きで設定変更しました

 この作戦は成功です。むしろファンクションキーを使うために手を上に持っていく必要がなく、入力効率が上がりました。もちろん他のキーボードを使う際の問題は残りますが、これら3つのキーくらいだとそこまで大きな影響はないと思います。

 しかし、Windowsでファイルの名前を変更する場合はF2キーを使ったり、独自ショートカット機能をファンクションキーに割り当てていたりと、他にも意外とファンクションキーを使っていることに気が付きました。

 このようなケースでは片手はマウスを触っているなど、ホームポジションを取っていない時も多いです。Fnキーを押しながらとなると片手でやりづらいこともあり、なかなか厳しいです。

 最後は「そこまでしてHHKBを使う必要があるか?」という点に回帰します。後述しますが、私のメイン環境ではHHKBにこだわる必要はないかな、と判断しました。

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