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「HHKB Studio」は最強のコンパクトキーボード ただし物理キーの少なさに慣れるかが鍵になる「目指せ↑ワンランク上の仕事術」デジモノ探訪記(1/3 ページ)

» 2023年12月05日 17時05分 公開
[石黒直樹ITmedia]
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 高級キーボードの代名詞ともいえるPFUの「HKKB」──先日、企画開発に5年を費やしたという「HHKB Studio」が発売されました。コンパクトさはそのままに、マウスとジェスチャーパッドを一体化したモデルです。

 私は別の高級キーボード東プレの「REALFORCE」シリーズを愛用しており、これまでHHKBシリーズは使ったことがありません。その理由は「ファンクションキー」と「テンキー」が無いためでした。

 HHKBはコンパクトをコンセプトとしているため、それらのキーは他のキーと組み合わせて入力します。さすがに単体の物理キーが無いのは不便だろうと感じがあり、今まで手を出してきませんでした。試しに購入するには高価すぎるといいう点もネックになっていました。

photo PFUの「Happy Hacking Keyboard」シリーズは、新モデルの「HHKB Studio」を含めてファンクションキーとテンキーがありません

 今回は、PFUより日本語配列のHHKB Studioをお借りする機会を得ました。この機会に自分としてどれくらい使えるものなのかを試しています。そうした状況から、HHKBの過去モデルとの比較といった内容はありませんのでご了承ください。

 1台でマウス操作までカバーできるHHKB Studioはキーマッピングのカスタマイズ性も相まって、今までHHKBを使ってきた方には間違いなく“買い”となるアップデートだろうと感じます。しかし、はじめてHHKBを使う方は物理キーの少なさがネックになりかねず、自身の使い方をよく考えてから判断する必要があると感じました。ハマれば最高のキーボードとなるでしょう。

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著者:石黒直樹(いしぐろ なおき)

ITコンサルを手掛ける(株)グロリア代表取締役。15年勤めた前職の野村総合研究所では、高い品質が求められる金融系システムを担当。大規模プロジェクト、開発、保守、運用など、情報システムに関するさまざまな経験の他、マネジメントや要件定義、システム設計、プログラミングといった知識も持つ。現職では大企業、中小企業、個人事業主と規模を問わず、自身のノウハウ全てを使って企業や組織のITを支援している。大のガジェット好きで、常に仕事にうまく生かせないものかと考えてしまう癖がある。モットーは「神は細部に宿る」。2児の父。主な著書に『情シスの定石』『図解即戦力 システム設計のセオリーと実施方法がこれ1冊でしっかりわかる教科書』(いずれも技術評論社)。連載:「目指せ↑ワンランク上の仕事術」デジモノ探訪記


総じて、フィーリングは素晴らしい出来

 まずはものすごく感覚的なお話からです。さすが歴史のあるHHKBシリーズです。キータイピングの感触は抜群だと感じました。普段使いしているREALFORCEシリーズよりも感触が好みで、買い換えが頭をよぎったほどです。もちろんここは個人の好みがあると思いますので、最終的には実機にてご確認ください。

 次に、今回追加となったポインティングスティックです。レノボ・ジャパンのノートPC「ThinkPad」シリーズ伝統ともいえる入力スティックですが、実は私はそうしたデバイスを使ったことがあまりなく、操作に不慣れです。

 今回試用している中でもなかなか慣れず、マウスも接続しっぱなしであったため、いつものクセでそちらに手をのばしてしまいました。慣れている方には使いやすいものなのでしょう。

 そしてジェスチャーパッドです。画面のスクロール操作などが可能ですが、こちらも操作の慣れが必要だと感じました。今まで触れたことのない形状のハードウェアなので、触れる部位とその移動量の感覚をつかむ必要があります。

photo HHKBの公式サイトより。キーボードの周囲4箇所にジェスチャーエリアがあります。キーマップ変更ツールで割り当て操作を変更することもできます

 ただし、手前側のジェスチャーパッドは微妙かもしれません。反応の問題ではなく、パームレストをキーボードに近づけて置くと、そもそもジェスチャーパッドの部分に指が入りません。HHKB Studioはキーボードの高さがあるため、個人的にはパームレストは必須です。試用していてなかなか使いこなせませんでした……。

photo パームレストの置き方にもよりますが、幅が狭いと手が入りません……

 総じて、「手をあまり動かさずに全ての操作を行う」という点において、しっかりと実用レベルに達していると感じました。ただし、手を動かさなくていいがゆえに、肩をあまり動かさないことにもつながり、肩凝りになりかねないとも感じました。

 マウスがあると、そちらに手をのばす際に肩が多少開きます。普段と違うキーボードを使ったということもあると思いますが、私は肩が少し凝りました。このあたりも慣れかもしれませんが。

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