PFUが「Happy Hacking Keyboard」の新モデルとして、「HHKB Studio」を10月25日に発売した。HHKB Studioは、キーボード/マウス/ジェスチャーパッドを一体化したのが特徴の製品となる。現行の「HHKB Professional」シリーズと併売される。配列は英語と日本語の2種類が用意され、価格はどちらも4万4000円(税込み、以下同)だ。
同社は同日、東京都内で発表会を開催し、清水康也常務や山口篤氏(販売推進統括部長)などが登壇し、本製品がどのように「HHKBの流れ」をくんでいるのか解説しつつ、本製品の特徴を紹介した。
Happy Hacking Keyboard(通称「HHKB」)は、1996年に誕生した。Microsoftが「Windows 95」を発売した翌年で、PCが一般家庭に普及し始めた頃だ。清水氏によると、「究極のヒューマンインタフェースとして進化を続けた結果、2023年5月までに世界で累計67万台が出荷された」という。
プロの要求に応える上質なタイピングを実現すべく、合理的なキー配列、コンパクト設計、極上のキータッチを意識し開発してきたからこそ、プログラマーやライターなどに評価され、人気を博すキーボードになったと、同氏は胸を張る。
初代モデルの発売後、USB接続モデルの発売、Bluetooth対応モデルの発売、マルチペアリングによる複数デバイスへの接続対応など、HHKBは「多様なインタフェースを備え、進化を遂げてきた」(清水氏)。
しかし、昨今は働き方の多様化が急速に進んでいる。スマートフォンやPC、ウェアラブルデバイスなどコンピューティング環境はもちろん、開発ツールを含めて利用するアプリも多様化し、さまざまな入力操作を快適に行えるよう「入力インタフェースの進化」が求められている。
清水氏は「こういった環境変化に対応すべく、世界最大かつ最先端のIT市場である北米で(製品を)発想すべき、という決断に至った」と、HHKB Studioが誕生する経緯を語った。
従来のHHKBシリーズとは異なり、HHKB Studioは「PFUの北米拠点であるPFU Americaの新規事業開発のメンバーが主導で企画、そしてコンテクストを立案している」(清水氏)。製品デザインは、アクションカメラ「GoPro」を始めとする、さまざまなIT製品などのデザインを手掛けてきたHuge Design(米カリフォルニア州サンフランシスコ市)が担当した。
PFUの笠原雄毅氏(SW/FW先進技術開発部マネージャー)は「この完成形にたどり着くまでに2〜3回もの練り直しを行った」と振り返る。長く使えるモノとして考えた結果、製品企画だけで2年もかかったという。「グローバルでの環境変化も意識」し、PFUは「オールインワン(1台で全てが済む)の新たな入力デバイス」として、HHKB Studioの開発は進められた。
山口氏は、本製品のコンセプトを「最小の動きで、無限大の創造を」と紹介する。プロフェッショナルな人が使うことを想定し、ホームポジションを崩さずに入力操作が行えるようにしたという。
HHKB Studioには、大きく分けると5つの特徴がある。
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