発表会では、同社がペット家電市場に乗り出すようになった理由についても語られた。河内氏は「そもそも当社のビジョンはライフスタイルイノベーションであり、その歴史は常にトレンドの先端の周辺機器開発であった」とした上で、「PCが市場に出てからはPCの、スマホが出てきた直近10年ではスマホ関連の周辺機器を開発し、展開してきた」と説明した。
同社ではヘルスケア関連商品のECLEAR(エクリア)を取り扱っており、2023年3月にクラウド録画サービス「Antenna-eye」(アンテナアイ)を、DXアンテナとさくらインターネットと連携して提供を始めている。「それらさまざまなシナジーを生かす事業領域を開発していく中で、ペット家電という市場への進出を決めた」と解説する。
別の側面もある。コロナ禍により、外に出られないことからペット需要が高まったが、普段の生活に戻ると一人暮らし、または共働き家庭では不在時にペットのケアがおろそかになってしまいがちだ。
「デジタル技術を使ったペット家電と当社は相性がいい」と河内氏。「より安心、安全にペットを見守れるよう、ペットオーナーをサポートしたい、そのような製品を提供していきたい」と語る。
また、ペット家電事業の勝算については次のように説明した。
「“通電するペット用品”市場において、日本メーカーは1強状態だ。伸びしろのある市場であり、当社には電子基板/AC充電器/USBケーブルなど、既に獲得したデジタル技術がある。PC周辺機器などと同等レベルの品質管理、開発ができる。ペットオーナーの困りごとなどに耳を傾けながらマーケティング活動を行い、ライフスタイルに寄り添った事業推進をしていきたい」(河内氏)
発表会後、展示されている自動給餌器、サイレントアクア、フードスケールの実機に触れる機会を得た。
1ボウルタイプの自動給餌器では、受け皿のボウルの直径が大きく、底に凹凸がある。2ボウルタイプのボウルは小ぶりで、省スペース性が高いと感じた。6kgのフードをボックス内に投入できるので、袋の状態で床に置いておくより見栄えも良いだろう。ペットのいたずら防止にも一役買ってくれるはずだ。
フードをボウルに落とすためのプロペラは、説明通りのシリコン製だ。適度な柔らかさがあり、回転してもフードの粒が崩れることはない。ボックス内に傷をつけることもなく、雑菌の繁殖も防げそうだ。
本体底部には乾電池ボックスも備える。入れておけば、万が一の停電時にも安心だ。旅行に出掛けるときなど、ピンポイントで乾電池を入れておくと良いだろう。
最後に、サイレントアクアやフードスケールに見られる一工夫をチェックしよう。
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