魅惑のスライドキーボード付きポータブルゲーミングPC「AYANEO SLIDE」はノートPCの代わりとしてビジネス利用できるのか?「目指せ↑ワンランク上の仕事術」デジモノ探訪記(1/3 ページ)

» 2024年01月23日 12時36分 公開
[石黒直樹ITmedia]

 ポータブルゲーミングPCとは、PCゲーム用途が想定された「Nitendo Switch」のような形をしているWindows PCを指します。

 近年は本カテゴリーの製品が大変盛り上がっており、各社からさまざまなポータブルゲーミングPCが発売されています。私はPCゲームを基本的にSteamで購入するようにしているため、一番相性が良いかなと思い「Steam Deck」を所有しています。もっとも、そこまでゲームに集中する時間はないため、積ん読ならぬ“積みゲー”状態ではありますが……。

 そんな中、今回は国内で2月中旬に発売するAYANEOの最新ポータブルゲーミングPC「AYANEO SLIDE」に触れる機会を得ました。価格は15万3800円(税込、以下同)からと、ポータブルゲーミングPCの中でも高価寄りです。

 しかし、AYANEO SLIDEは6型のスライド式フローティング液晶ディスプレイや物理キーボードを搭載しており、ガジェット好きとしての所有欲がそそられる上に、ビジネス利用としても優れている点があると感じました。使い方によっては「ゲームもビジネスもこれ1台で」という可能性を秘めた端末です。

photo 子どもの頃にこのようなゲーム機があったら、手放せなかったでしょう

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著者:石黒直樹(いしぐろ なおき)

ITコンサルを手掛ける(株)グロリア代表取締役。15年勤めた前職の野村総合研究所では、高い品質が求められる金融系システムを担当。大規模プロジェクト、開発、保守、運用など、情報システムに関するさまざまな経験の他、マネジメントや要件定義、システム設計、プログラミングといった知識も持つ。現職では大企業、中小企業、個人事業主と規模を問わず、自身のノウハウ全てを使って企業や組織のITを支援している。大のガジェット好きで、常に仕事にうまく生かせないものかと考えてしまう癖がある。モットーは「神は細部に宿る」。2児の父。主な著書に『情シスの定石』『図解即戦力 システム設計のセオリーと実施方法がこれ1冊でしっかりわかる教科書』(いずれも技術評論社)。連載:「目指せ↑ワンランク上の仕事術」デジモノ探訪記


目玉のスライド式フローティング液晶ディスプレイは心地よい

 まず、AYANEO SLIDEを箱から取り出して、少し触れただけで「ガジェットとしてすごく良い感触だな」という印象を受けました。

 機種名に「SLIDE」とあるように、目玉となるのはディスプレイのスライド機構です。少し力を入れてディスプレイを上にスライドするだけで、カシャっとスライドします。ガジェット好きとしては、まずこれをカシャカシャしたい誘惑にかられます。

photo 公式サイトより。大きな力は不要で、カシャっとスライドします

 そして、すごく秀逸だと感じたのが、画面を30度傾けられる点です。

photo 公式サイトより。後ろから優しく押してやることで、任意の角度で画面が固定できます

 そしてディスプレイをスライドさせることで、その下からフルキーボードが現れます。こうしたギミック、非常に面白いですよね。

 しかし、キーボードを使わせるためだけにディスプレイのスライド機能を搭載しているわけではないと感じました。ゲームをプレイするにも、Webブラウジング等を行うにも、本体を手でホールドしたときにディスプレイが少し上にあると、すごく使い心地がいいと感じます。

 AYANEO SLIDEの重さは約650gです。多くは本体を手でホールドしつつ、デスクの上に接地させて使う場合が多いはずです。そうしたときに、ディスプレイが本体よりも少し上にくることで目線が窮屈にならないのです。握った手と本体をデスクに接地させても、目線はスムーズに移せてかつ重さも気になりません。

photo 分かりづらいですが、机に置いて持っています。写真は片手ですが、両手で持って操作することが多いです

photo スライドを閉じると目線がかなり下になり、姿勢が窮屈になります

 ただし、こうしたギミックで気になるのは耐久性です。また、ディスプレイを傾けた状態でスライドを閉じる(キーボードを隠す)ことはできません。気を付けながら使った方がよいと思います。

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