今から買うなら有機EL!? 細かな部分が改良されたポータブルPC「Steam Deck OLED」でAAAタイトルは快適に遊べる? 試して分かったこと(1/3 ページ)

» 2023年12月15日 18時00分 公開
[山本竜也ITmedia]

 PCゲームプラットフォームの「Steam」を運営するValveが、2022年にリリースした携帯ゲーム機が「Steam Deck」だ。その新モデルとなる「Steam Deck OLED」が11月に発売された。日本国内では、前モデル同様にKomodoが代理店として販売されている。

 前モデルの発売から約11か月での新モデルということになるが、Valveのプロダクトデザイナーであるローレンス・ヤン氏がBloombergに語ったところによると、Steam Deck 2などの次世代モデルというわけではなく、あくまでも顧客の要望に基づくマイナーチェンジモデルとのことだ。

 だったら、Steam Deck OLEDを買わずに次世代モデルを待ちたいと思うかもしれないが、次世代モデルは数年先になるとのことなので、今購入しても後悔はしないだろう。

Steam Deck OLED LCD Komodo ポータブルゲーミングPC 有機EL 新たに追加された「Steam Deck OLED」。今回試用したのは最上位の1TBモデル(9万9800円)で、512GBモデル(8万4800円)も用意されている(価格は税込み、以下同様)

 このSteam Deck OLEDを編集部からお借りしたので、実際にゲームをプレイした使用感をお届けしたい。なお、Steam Deck OLEDのレビューに関しては既に記事が上がっているので、そちらも参考にしてほしい。

 今回も前回のLCD版と同様、CD PROJEKT REDのオープンワールド型アクションRPG「Cyberpunk 2077」をプレイしてみた。

Steam Deck OLED LCD Komodo ポータブルゲーミングPC 有機EL Steam Deck OLEDでCyberpunk 2077をプレイした

 前回プレイ時にはSteam Deckの互換性は「プレイ可能(操作や設定に追加の作業が必要な場合がある)」だったが、今回確認したところ「確認済み」となっていた。互換性の確認やゲーム側のSteam Deck対応も継続して行われているようだ。

Steam Deck OLED LCD Komodo ポータブルゲーミングPC 有機EL 以前はSteam Deck互換性が「プレイ可能」だったCyberpunk 2077だが、今回確認したところ「確認済み」となっていた

 Steam Deck OLEDは、ディスプレイの解像度は1280×800ピクセルから変更はないが、狭額縁化したことで7型から7.4型と、わずかに拡大した。OLED化により、最大輝度も1000ニトとLCDモデルの400ニトから大幅に向上している。リフレッシュレートも60Hzから90Hzに引き上げられた。

Steam Deck OLED LCD Komodo ポータブルゲーミングPC 有機EL 上がOLEDモデル、下はLCDモデル。写真ではあまり違いがわからないが、発色はOLEDモデルの方が圧倒的にいい。また、OLEDモデルは狭額縁になっていることが分かる
Steam Deck OLED LCD Komodo ポータブルゲーミングPC 有機EL 正面から見比べたところ。左がLCDモデル、右がOLEDモデルで、どちらも最大輝度に設定した
Steam Deck OLED LCD Komodo ポータブルゲーミングPC 有機EL OLEDモデルは、新たにWi-Fi 6に対応した(Wi-Fi 6Eは来年春のアップデートで対応)。無線LANの設定をみると、上のLCDモデルはWi-Fi 5までのアクセスポイントしか見えないのに対し、下のOLEDモデルはWi-Fi 6も選べる

 なお、ゲームにもよると思うが、Cyberpunk 2077では最大FPSがデフォルトで「30」に設定されていた。これはSteam DeckのLCDモデルでも同様だ。試しに、最大FPS設定をオフにして、Cyberpunk 2077内のベンチマークを実施してみたところ、最低FPSが「19.19」、最大FPSが「87.39」、平均FPSは「46.75」という結果になった。

 比較のためにLCDモデルでも同様の設定で実施してみたが、平均FPSは「45.29」で大きな差はでなかった。この辺りは、Steam Deckそのもののスペックの限界なのだろう。

Steam Deck OLED LCD Komodo ポータブルゲーミングPC 有機EL OLEDモデル(左)とLCDモデル(右)のテスト結果。最大FPSは90Hz対応のOLEDモデルが高くなるが、平均としては大きな差は出ていない
       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年10月12日 更新
  1. Core Ultra(シリーズ2)にデスクトップ/ハイエンドモバイル向けモデルが登場! これまでのIntel製CPUとの決定的な違い (2024年10月11日)
  2. 東プレから70%サイズの「REALFORCE RC1 Keyboard」登場! 実売3万5860円で別売キーキャップも (2024年10月11日)
  3. オートフォーカスアイウェアの新モデル「ViXion01S」を試す 頭がデカい筆者に対応、その実力は? (2024年10月11日)
  4. IntelがNPUを統合したデスクトップ向け「Core Ultra 200Sプロセッサ」を発表 アンロック版は米国で10月24日発売 (2024年10月11日)
  5. ロジクール初の分割式“左手デバイス"が登場 プロ絵師による「MX クリエイティブ コンソール」レビュー (2024年10月10日)
  6. 長年のPixelユーザーがiPhoneに乗り換える前に最新の「Pixel 9/9 Pro XL」を触った理由 (2024年10月10日)
  7. MSIの新型マザーボードは全モデルでThunderbolt 4とWi-Fi 7を装備! Intel Z890搭載製品を発表 (2024年10月11日)
  8. 「VRChatユーザーのために開発」──8K対応で約185g未満のVRヘッドセット「MeganeX superlight 8K」発表 (2024年10月10日)
  9. 私たちの“仕事”に適したビジネスPCをどう選ぶ? 〜ストレージ編〜 (2024年10月11日)
  10. AMDがビジネスモバイル向けAPU「Ryzen AI PRO 300シリーズ」を発表 高度なセキュリティを搭載し「Copilot+ PC」にも準拠 (2024年10月11日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー