国内では2022年12月に発売となった、ポータブルゲーミング端末「Steam Deck」。PC USERでも既にいくつか記事はでているが、今回は実際にゲームをプレイしてみた感想をお届けしたいと思う。
なお、筆者はSteam Deck自体に触れたことはあるものの、自宅でしっかりとゲームをプレイするのは今回が初めてだ。ちなみに、筆者が購入したわけではなく、編集部からお借りしたモデルとなる。
Steam Deckは、PCゲームプラットフォーム「Steam」のゲームをプレイできる端末だが、OSにはWindowsではなくArch Linuxベースの「SteamOS 3.0」が搭載されている。このため、Steamで配信されているゲームをプレイするために、「Proton」という互換レイヤーを利用する。
ほとんどのゲームはProtonを介して問題なくSteam Deckでプレイできるが、中には、Protonや特定のハードウェアコンポーネントと互換性がないため、Steam Deckではプレイできないタイトルも存在している。
意外なところでは、「BIOHAZARD RE:3」や「The Witcher 2」などがSteam Deckとは互換がないことになっている。プレイしたいと思っているゲームがSteam Deckに対応しているかはストアの各ゲームページや、互換性確認のページでチェックできるので事前に確認しておくのがいいだろう。
今回は、Steam Deckで「プレイ可能(操作や設定に追加の作業が必要な場合がある)」となっているCD PROJEKT RED「Cyberpunk 2077」をプレイしてみた。
筆者は普段、PCゲームをキーボードとマウスでプレイしており、コントローラーでの操作に不慣れではあるが、操作自体はすぐに慣れることができた。各ボタンの操作設定なども、「STEAM」ボタンからすぐに確認/変更可能だ。
なお、「操作や設定に追加の作業が必要な場合がある」となっているだけに、Steam Deckでの操作に最適化されておらず、メニュー選択などがマウスカーソルの操作のようになっている部分もあったが、概ね問題はなかった。
Windowsネイティブでゲームが動いているわけではないが、レスポンスも悪いとは感じなかった。もちろん、PC上での操作よりも若干反応が悪いと感じることもあるので、コンマ何秒の世界で競っているFPSゲーマーにとっては不満が出るかもしれないが、多くの人にとっては十分と言えそうだ。
ちなみに、Steam DeckではAMDのZen 2アーキテクチャを採用した4コア8スレッド/2.4〜3.5GHz動作のカスタムチップを備え、グラフィックス機能はRDNA 2ベースで1.0GHz〜1.6GHz駆動のCPU内蔵GPUを利用する。
また、7型ディスプレイに1280×800ピクセルという画面解像度では、文字などが見にくく感じる部分があった。もともと細かい文字が多めのゲームではあるが、老眼が入り始めている筆者にはかなりきつい。
このため文字をよく見ようとすると、メガネを外して画面を近づける必要がある。Steam Deckは約669gとそれなりに重量があるので、両手で抱えたまま(中に浮かせて)プレイするには少々厳しく、基本は机上に手を載せてプレイするスタイルになると思うが、その状態だと細かい文字が見えない……となかなか悩ましい状態ではあった。老眼鏡を使えば問題ないのかもしれず、本気で老眼鏡の購入を検討したいと思ってしまった。
それはともかくとして、老眼とは無縁の若い人でも中に浮かせたままでのプレイはキツイだろう。残念ながら、Steam Deckの重量を考えるとベッドで仰向けになってプレイするというのはおすすめできない。
また、バッテリーの持ちもいまひとつだ。これはゲームタイトルにもよるのだが、Cyberpunk 2077の連続プレイ可能時間は2時間弱といったところだった。少し短めな印象はあるが、他のポータブルゲーミングPCでも、ゲーム中のバッテリー駆動時間は大体似たようなものなので、Steam Deckのバッテリー持ちが特別悪いということではないだろう。
試しにSteam Deck非対応となっていたBIOHAZARD RE:3もプレイしてみたが、プレイした範囲では問題なく遊べた。どこかで不具合がでるのかもしれないが、非対応となっているゲームでも意外とプレイできてしまうものがあるのかもしれない。
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