省スペースかつ静音省電力が魅力 手のひらサイズのNUCベアボーン「NUC BOX-1360P/D5」を試す(4/4 ページ)

» 2024年01月25日 12時00分 公開
[マルオマサトITmedia]
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ビジネスや学習が快適にできるパフォーマンス

 ベンチマークテストのスコアを確認しよう。UEFIセットアップの設定はデフォルト(System Auto)のまま、Windows 11の電源設定は「最適なパフォーマンス」を選択している。比較対象として、2023年にレビューした「Intel NUC Pro 13キット」、2022年発売のCore i7-1260P搭載ノートPCのスコアも掲載した。

 CPUに最低10分以上強い負荷をかけるCINEBENCH R23のCPUスコアは8632ptsだった。ブーストのリミッターが高く設定されているIntelのNUC Pro 13だけでなく、比較対象のノートPCにもわずかに及ばない。

 Core i7-1360P搭載機として許容範囲内ではあるがやや地味なスコアだ。産業用ということで、静音性や安定的な長期稼働を重視したチューニングになっていると思われる。

 しかし、DDR5-5200メモリとPCIe 4.0x4対応の高速SSDを使っていることもあり、PCMark 10や3DMarkなど他のテストではNUC Pro 13キット(DDR4-3200メモリ搭載)を逆転している項目もある。総合的には良好な結果で、Core i7-1360P搭載機として期待されるパフォーマンスはしっかり出せているといえる。

photo テストに利用した環境。ベアボーンPCのため、本来はメモリ、ストレージ、画面、OSは別売りだ
photo CINEBENCH R23(最低実行時間10分)のスコア比較
photo CINEBENCH 2024(最低実行時間10分)のスコア
photo PCMark 10のスコア比較
photo 3DMarkのスコア比較
photo FINAL FANTASY XIV:暁月のフィナーレベンチマーク(1920×1080ピクセル、ノートPC標準品質、フルスクリーン)のスコア

静音性、省電力性も魅力

 消費電力については、BluetoothマウスとUSBキーボードを接続した状態で、Electronic Educational Devices製のワットチェッカー「Watts up? PRO」を利用して計測した。

 アイドル時は6W前後、ChromeでのYouTube動画再生中は11W前後といったところだ。CINEBENCH R23のCPUテストを実行すると、最初の18秒ほどは80W前後、その後は36W前後で推移していた。

 動作音は静粛だ。耳から40cmの距離でアイドル時や低負荷時はほぼ無音、高負荷時でも静かな環境なら分かる程度、一般的な空調機器が動作している部屋で意識しなければほとんど分からないだろう。ボディーも気になるような発熱はなく、安心して利用できる。

photo 消費電力の測定結果。低負荷時はChromeでのYouTube動画再生、高負荷時1はCINEBENCH R23開始直後から18秒後まで、高負荷時2はCINEBENCH R23実行から19秒以降の平均的な電力だ
photo アイドル時の電力はOSのバックグラウンドタスクの状況によって変動するが、最小では5.7Wで下がっていた。
photo システムの動作音(室温21度、暗騒音30dB。ボディー正面から約20cmの距離で測定。高負荷時でも十分静音といえるレベルだ
photo FINAL FANTASY XIV:暁月のフィナーレベンチマークの終了直前に、FLIR ONEで撮影したサーモグラフィー(室温21度)。気になる発熱は見られない。

手堅くまとまったNUCスタイルの超小型PC

 NUC BOX-1360P/D5は、省スペースな超小型ボディーに豊富な高速インタフェースを搭載している。ビジネスや学習が快適に行えるパフォーマンスに加えて、静音かつ省電力という要素も兼ね備える。2基の2.5GBASE-T対応有線LANを備えるため、有線で2種類のネットワークに接続する必要がある業務で活用できる点も強みだろう。

 同シリーズのラインアップには、搭載CPUが同じでDDR4メモリに対応するNUC BOX-1360P/D4はじめ、搭載CPUや対応メモリが異なる多数のラインアップが用意されているので、それらも合わせて検討するとよいだろう。

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