ベンチマークテストのスコアを確認しよう。UEFIセットアップの設定はデフォルト(System Auto)のまま、Windows 11の電源設定は「最適なパフォーマンス」を選択している。比較対象として、2023年にレビューした「Intel NUC Pro 13キット」、2022年発売のCore i7-1260P搭載ノートPCのスコアも掲載した。
CPUに最低10分以上強い負荷をかけるCINEBENCH R23のCPUスコアは8632ptsだった。ブーストのリミッターが高く設定されているIntelのNUC Pro 13だけでなく、比較対象のノートPCにもわずかに及ばない。
Core i7-1360P搭載機として許容範囲内ではあるがやや地味なスコアだ。産業用ということで、静音性や安定的な長期稼働を重視したチューニングになっていると思われる。
しかし、DDR5-5200メモリとPCIe 4.0x4対応の高速SSDを使っていることもあり、PCMark 10や3DMarkなど他のテストではNUC Pro 13キット(DDR4-3200メモリ搭載)を逆転している項目もある。総合的には良好な結果で、Core i7-1360P搭載機として期待されるパフォーマンスはしっかり出せているといえる。
消費電力については、BluetoothマウスとUSBキーボードを接続した状態で、Electronic Educational Devices製のワットチェッカー「Watts up? PRO」を利用して計測した。
アイドル時は6W前後、ChromeでのYouTube動画再生中は11W前後といったところだ。CINEBENCH R23のCPUテストを実行すると、最初の18秒ほどは80W前後、その後は36W前後で推移していた。
動作音は静粛だ。耳から40cmの距離でアイドル時や低負荷時はほぼ無音、高負荷時でも静かな環境なら分かる程度、一般的な空調機器が動作している部屋で意識しなければほとんど分からないだろう。ボディーも気になるような発熱はなく、安心して利用できる。
NUC BOX-1360P/D5は、省スペースな超小型ボディーに豊富な高速インタフェースを搭載している。ビジネスや学習が快適に行えるパフォーマンスに加えて、静音かつ省電力という要素も兼ね備える。2基の2.5GBASE-T対応有線LANを備えるため、有線で2種類のネットワークに接続する必要がある業務で活用できる点も強みだろう。
同シリーズのラインアップには、搭載CPUが同じでDDR4メモリに対応するNUC BOX-1360P/D4はじめ、搭載CPUや対応メモリが異なる多数のラインアップが用意されているので、それらも合わせて検討するとよいだろう。
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