特にAYANEO Flip DSを見れば分かるかもしれないが、AYANEO Flipシリーズは「ニンテンドーDS」や「ニンテンドー3DS」から着想を得てデザインされている。ただし、ニンテンドーDS/3DSではサブディスプレイを使うことが前提の専用ゲームが用意されていたのに対して、本シリーズでは“普通の”PCゲームを1画面に表示してプレイすることになる。
「(AYANEO Flip DSのサブディスプレイは)表示サイズが小さく、タッチできるといっても難しい。ニンテンドーDSのようなタッチペンを付けることを考えなかったのか?」とある記者から質問を受けたAYANEOのアーサーCEOは、「AYA Spaceを表示することを前提として開発していたので、考えなかった。次があれば、そのアイデアを取り入れるかもしれない」と回答していた。
Windowsの設定画面を見ると分かるが、AYANEO Flip DSのサブディスプレイは、「2つ目の画面(ディスプレイ)」として認識されており、メインディスプレイとの相対的な位置も変えられる。
ただし、画面サイズが小さく解像度も低いせいか、サブディスプレイの投影解像度や表示倍率の設定は変更できないようである。本当は変えられるのかもしれないが、じっくりと試すほどの時間はなかったので、容赦いただきたい。
サブディスプレイに表示する内容の切り替えは、先述のDual-Screen Keysボタンおかげでスムーズに行えた。
メイン/サブ両方がもう少し大きな画面で、同じ機構を備えるPCがあれば「仕事用のPCとしても大活躍するのでは?」と思った。というのも、出先で仕事をした際に、「人の気配を感じたらサブディスプレイに表示した『マル秘情報』を隠す」という用途にも使えそうなレベルでサブディスプレイのオン/オフがスピーディーに行えるからだ(この際、外でマル秘情報を見ることの是非は考慮しないこととする)。
ボディー全体は丸みを帯びており、握りやすいデザインとなっている。グリップ操作するだけあって、左右側面にはポート類を搭載していない。多くは背面に集約されている。
一方で、前面にはステレオスピーカーと3.5mmイヤフォン/マイク端子を搭載している。最近はやっているBluetoothイヤフォン/ヘッドフォンは、無線を使うがゆえに音の遅延(ズレ)が生じることもある。特に音楽ゲームを楽しむゲーマーにとって、イヤフォンやヘッドフォンを有線接続できるのはうれしい仕様だろう。
なお、グリップは取り替え可能で、表面が滑らかなタイプとザラつきのあるタイプの2つがパッケージに付属するという。オプションで買わなくていいのがうれしい。
AYANEO Flip KBのキーボードは、「カチカチ」というより「プチプチ」とした押し心地だ。柔らかいながらもしっかりした押下感があるので、押したか押せなかったかわからないということはないだろう。独立したFnキーがあるのもうれしい。
なお、左右にコントローラーがある関係で、男性でも通常サイズの手の持ち主であれば、中央のキー(「G」や「H」)をグリップから手を動かすことなく押すのは難しいかもしれない。
キーボードにはRGB LEDバックライトが搭載されており、暗がりでも間違うことなくキーを押せる。短時間のハンズオンでは確認できなかったが、ライトカラーや明度はカスタマイズ可能とのこと。実機をじっくりレビューする機会があれば試してみたい。
ハンズオンの最中に、記者の1人から「DSのほうが重く感じる……」との感想が聞こえてきた。そこで山田社長ははかりを用意して実測した所、公称値の通りに両者の重量にほぼ変わりはなかった。
AYANEO Flip DSはサブディスプレイを搭載しているのに、重量差がそれほどないことにむしろ、報道関係者一同は驚いていた(筆者も驚いた)。
AYANEOでは今後もさまざまなデバイスを開発、発表していくとのことで、すでに発表されている「AYANEO Pocket S」の公開も控えている。
アーサーCEOは、そのお披露目とAYANEO Flipシリーズの紹介のため5月に来日予定だという。5月であれば、予約したAYANEO Flipが購入者の手元に届いているはずなので、AYANEO Flipシリーズの強化版の紹介を兼ねているのかもしれない。
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