BeeStationには、家族利用を想定したユーザー招待機能が備わっている。最大で8人までユーザー(Synologyアカウント)を招待して、それぞれのアカウントで1台のBeeStationを利用できる。家庭内パーソナルクラウドストレージとして利用することも可能だ。この共有機能は筆者が思っているより優秀だったので、最後に活用例の1つとして取り上げてみることにした。
この共有機能は、それぞれのアカウントのプライベートに配慮された作りとなっている。たとえ自身が所有者だったとしても、招待された他のユーザーのファイルや写真にはアクセスできない。
本来、家庭内で共有フォルダーを用意する場合、NASを買ってきて人数分のアカウントを用意するのが定石だった。この方法だと、管理者権限を持ったアカウントであれば、他のユーザーのファイルにアクセスできてしまうので、プライバシーを尊重した運用を取るには性善説で対応するしか無かった。
しかしBeeStationでは、所有者(管理者)アカウントでログインしても確認できるのは、それぞれのユーザーがどれぐらいのストレージ領域を利用しているかのみで、他ユーザーのファイルにはアクセスできないようになっている。
筆者自身も、「家庭内NASに妻のアカウントを作れば便利になるのでは?」と思ったこともあったが、自身が管理者権限のアカウントを持っているため、妻のデータにアクセスできてしまう状況は、自身の倫理観に反するため導入に踏み切れなかった過去がある。
その結果として、それぞれ別々で有償のクラウドサービスを契約することとなり、ダブルコストが発生している状況だ。しかし、BeeStationであれば個人のプライベートを尊重しつつ、買い切り型でパーソナルクラウドストレージを導入できるので、家族共同で利用するには非常に大きなメリットを得られる製品だと感じる。
BeeStationは“親しき仲にも礼儀あり”なパーソナルクラウドストレージといえるだろう。
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