カナダPrimate Labsは4月11日(現地時間)、人気のクロスプラットフォームベンチマークソフトの最新版「Geekbench 6.3」をリリースした。
最新版の主な変更点は、Arm系のScalable Matrix Extensions(SME)命令に対応したことだ。SMEは行列計算を多用するワークロードのパフォーマンスを大幅に向上させることを目的としたもので、AIや機械学習の推論処理の高速化に貢献する。SME命令のないシステムの場合、Geekbench 6.3のベンチマークスコアはGeekbench 6.1および6.2と同等だが、SME命令を備えたシステムでは、以前のバージョンよりも高いスコアになるという。
この他、Androidデバイスで実行された「Horizon Detection」の結果が実行ごとに大きくばらつく問題を修正している。OpenCLOn12の不具合により、Core Ultraプロセッサ(開発コード名:Meteor Lake)搭載ノートPCでGeekbenchが起動時にクラッシュする問題を受け、根本的な問題が修正されるまではOpenCLOn12のサポートが無効化される。
韓国Samsung Electronicsは4月17日(現地時間)、業界初の最大10.7GbpsのLPDDR5X DRAMを発表した。2024年下半期に量産を開始する。
Samsungの10.7Gbps LPDDR5Xは、前世代と比較してパフォーマンスが25%以上、容量は30%以上も向上するだけでなく、モバイルDRAMの単一パッケージ容量を32GBまで拡張できるという。また、電力効率も25%向上しており、モバイルデバイスのバッテリー寿命が長くなる他、サーバのデータ処理時のエネルギー使用量を削減して、総所有コスト(TCO)を最小限に抑えられるという。
「低電力、高性能メモリの需要が高まるにつれ、LPDDR DRAMは、主にモバイルから、PC/アクセラレータ/サーバ/自動車など、従来より高い性能と信頼性が必要とされる他の分野にその用途が拡大すると予想される」とSamsung Electronicsのペ・ヨンチョル氏(メモリ事業部門 メモリ製品企画担当 執行副社長)は述べている。
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