「スマホからイコライザーを設定できるのがとてもいい。一般的なPCアプリだと、ゲームの裏画面に切り替えて設定するのが手間でした」──実際に新製品を試したストリーマーのゆふな氏は、そう評価した。
SteelSeriesは5月15日、ゲーミング向けワイヤレスヘッドセットの新製品「Arctis Nova 5」シリーズを発表した。24日に家電量販店や各ECサイトで発売する。価格は2万2000円(税込み)。
最大の特徴は、スマートフォンアプリ「Arctis Nova 5 専用アプリ」との連携機能だ。133のゲームタイトル(15日時点)向けにカスタマイズされたオーディオイコライザーをアプリにプリセットしており、PCやゲーム機でゲームをプレイしながら、手元のスマホで適切なイコライザーを選んで設定できる。ヘッドフォン本体にはオンボードメモリが搭載されており、イコライザー設定は本体に保存される。
ワイヤレス接続はUSB Type-Cポートのドングルを使った2.4GHz帯と、Bluetooth 5.3に対応している。ヘッドセット本体にあるクイックスイッチボタンでそれぞれを切り替え可能で、例えば2.4GHzワイヤレス接続でゲームをプレイしているとき、あらかじめBluetoothペアリングしているスマホにかかってきた電話にワンタッチで受話できる。
ドライバーユニットには、音質にこだわったというネオジウムマグネティックドライバーを採用している。マイクにはDiscode認定も取得した32KHz/16bitの帯域に対応するCliarCast双方性マイクを搭載する。従来製品に比べ、2倍の明瞭さを実現しているという。
内蔵バッテリーによる連続使用時間は約60時間。本体のUSB Type-Cポートで15分間の充電を行うと、最大6時間駆動できる急速充電にも対応している。
製品ラインアップはPC向け「Arctis Nova 5」、PlayStation 5向け「Arctis Nova 5P」、Xbox向け「Arctis Nova 5X」の3モデルとなっている。SteelSeriesの担当者に聞いたところ、実はArctis Nova 5とArctis Nova 5Pの仕様は同じで、違いはパッケージのみ。Arctis Nova 5Xに限っては、Xbox側の仕様に対応するためにカスタマイズされている。いずれも価格は同じだ。
SteelSeriesの石井靖人氏(Japan & Korea Regional Director)は、「従来製品はPCアプリやヘッドセットのベースステーションでイコライザー設定できました。新製品は全てのゲーマーに対してメリットを提供する──これを一番の目標として製品開発してきました」と説明した。
製品発表会では、プロゲーマーやストリーマーによるデモプレイも行われた。eスポーツチーム「REIGNITE」所属のすでたき氏は「銃声や足音が鮮明に聞こえました。距離感や方向がつかみやすいです」と音質を評価。ストリーマーのゆふな氏は「(ストリートファイター6をプレイし終えて)格ゲーに音は関係ないと思われがちですが、プロゲーマーはインパクト(強力技)の効果音を聞いて判断することもあります」と、その重要性を説明した。ストリーマーでコスプレイヤーの伊織もえ氏は「ゲームに没頭するには装着感が大事です。Arctis Nova 5は着け心地が良かったです」と話した。
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