USB 3.2 Gen 1対応で本当に330円!? ダイソーで330円の「USB Type-C充電・転送ケーブル」に“死角”はないのか?100円ショップのガジェットを試す

» 2024年07月28日 16時45分 公開

 最近、いわゆる「100円ショップ」でスマートフォンやPCを便利に使えるアクセサリー類がよく販売されている。その“実力”はいかほどのものか……?

 今回は、ダイソーにおいて330円で販売されている「USB Type-C 充電・転送ケーブル」を試してみる。

おことわり

 本記事に掲載されている商品は、全ての店舗で販売されているとは限りません。また、全ての携帯電話/タブレット/PCでの動作を保証するものではありません。


ダイソー330円Type-Cケーブル パッケージは非常にシンプル

USB 3.1 Gen 1+USB PD 100W対応で330円!

 パッケージは簡単で、中身もケーブルが1本入っているのみ。ケーブル長は1mで、データ伝送はUSB 3.2 Gen 1(USB 3.0/USB 5Gbps)に対応している上、USB PD(Power Delivery)において60W超の電流を通す場合に必須の「eMarker」も内蔵されている。これで330円というのは、スペックを考えると“破格”だ。

ダイソー330円Type-Cケーブル ケーブルは1mで、100円ショップで販売されるUSBケーブル類にしてはしっかりとした作りとなっている

充電はスペック通り 通信速度はどう?

 早速20V/5A(最大出力100W)に対応する充電タップに接続して充電率10%の「Google Pixel 7 Pro」を5分間充電したところ、20%まで充電できた。きちんと急速充電はできている。また、本ケーブルを介して最大65W出力のUSB PD対応ACアダプターをノートPCにつなぐと、きちんと65W出力と検知できた。eMarkerの認識も問題ないようだ。

 その後、Pixel 7 Proから1GBのデータをUSB 3.2 Gen 2(USB 3.1/USB 10Gbps) Type-C対応のノートPCにデータを送ってみたところ、送信完了までに105秒かかった。単純計算すると、約8000Mbpsのデータを105秒となるので、データ転送速度は約80Mbpsとなる……のだが、これだとUSB 2.0の理論最高速度(480Mbps)より遅い。

 そこで、さらなる検証をすべく、このケーブルを介してUSB 3.2 Gen 2対応のSSD「ROG Strix Arion S500」(ASUS JAPAN製)とUSB 3.2 Gen 2 Type-C対応ノートPCを接続し、「CrystalDiskMark 8.0.4」でデータの読み書き速度を計測してみた。デフォルト設定のままテストを実施したところ、シーケンシャル(連続)の読み書き速度は以下の通りとなった。

  • 読み出し(SEQ1MQ8T1):毎秒952.07MB
  • 書き込み(SEQ1MQ8T1):毎秒899.99MB

 読み出し速度をGbps換算すると、およそ7.62Gbpsパッケージに書いてある5Gbpsを超えるスピードを記録した。限界突破したか……と思うかもしれないが、このことはUSB 3.2 Gen 2対応機器同士をUSB 3.2 Gen 1ケーブルでつなぐとよく起こることなので、特別視する必要はない。

検証結果 このケーブルで計測した場合の結果

 参考に、USB Implement Forum(USB-IF)からの認証を取得したUSB4(USB 40Gbps)ケーブル(パッシブタイプ、1m)でも、同様に計測している。結果は以下の通りだ。

  • 読み出し(SEQ1MQ8T1):毎秒951.19MB
  • 書き込み(SEQ1MQ8T1):毎秒915.58MB

 本ケーブルは330円。それに対して、比較で使ったUSB4ケーブルは(購入時の価格で)5470円だった。USB 3.2 Gen 2よりも高速なUSB4ケーブルと比較するのはどうかしているかもしれないが、少なくともUSB 3.2 Gen 1機器とのデータ通信ではバッチリ使えることが分かった。

比較対象 5470円のUSB4ケーブルでつないだ場合の結果

映像ケーブルとして利用しようとしている場合は要注意

 このように、ダイソーのUSB Type-C 充電・転送ケーブルは価格の割によくできているのだが、弱点もある。それはUSB 3.2 Gen 1規格で求められる結線が一部行われていない”ようなのだ。USB 3.2 Gen 1/2準拠のケーブルの多くは、DisplayPort Alternate Modeによる映像のやり取りにも使えるのだが、本ケーブルは映像のやり取りを行えない

 相性問題なのかと思い、複数のDisplayPort Alternate Mode対応のスマホ/タブレット/PCとディスプレイを用意し、組み合わせを変えつつ試してみたのだが、このケーブルではどの組み合わせでも映像は投影されなかった。ちなみに、先に比較したUSB4ケーブルでは、どの組み合わせでもバッチリ映った。

330円で5Gbps/100W対応はすごい ただし“過信”は禁物

 繰り返しだが、ダイソーのUSB Type-C 充電・転送ケーブルは価格の割に出来が良い。しかし、USB 3.2 Gen 1規格で必要な結線が一部行われてないようで、DisplayPort Alternate Modeによる映像の伝送には対応できない。映像伝送に使いたい人は、割高でも「DisplayPort Alternate Mode対応」をうたうUSB Type-Cケーブルを買うことをお勧めする。

 一方で、パッケージの“額面通り”のスペックで運用するなら、これほどコストパフォーマンスに優れたケーブルはない。特に給電面でスペックを超えないようにしつつ、うまく付き合うようにしたい。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年05月06日 更新
  1. “ストラップ”みたいな40Gbps/240W急速充電対応の高性能USBケーブルを試す (2026年05月05日)
  2. 実売2万円切りで3年保証! フルサイズのHDMIも備えたMSI「PRO MP165 E6」の実力 (2026年05月04日)
  3. 「生成AIの出力は直しにくい」をどう克服? Canvaが仕掛ける“編集できる画像生成AI”の衝撃 (2026年05月05日)
  4. Fractal Designの新型ピラーレスケースや3.3万円の「豪鬼」コラボレバーレスアケコンまで――GWのアキバ新製品まとめ (2026年05月04日)
  5. 16型で約1.2kgの衝撃 ASUS「Zenbook SORA 16」はSnapdragon X2 Elite搭載で“大画面モバイル”の理想形へ (2026年05月04日)
  6. 思い出のビデオテープをPCなしでデジタル化できる「サンワダイレクト 400-MEDI034」が21%オフの2万5920円に (2026年04月30日)
  7. バッテリー最大30日&64GBのストレージ! 究極のタフネスウォッチ「Amazfit T-Rex Ultra 2」は+3万円の価値があるか (2026年05月01日)
  8. OpenAIが「GPT-5.5」を発表/GeminiのチャットでWordやExcel、PDFファイルなどを生成可能に (2026年05月03日)
  9. 4月30日発売の「Amazon Fire TV Stick HD(2026)」の特徴は? 購入時に注意すべきポイントをチェック! (2026年04月29日)
  10. 無刻印モデルが2万円! Amazon GWセールでPFUが「HHKB」シリーズを特別価格で放出中 (2026年05月02日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年